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空を見上げた。

第20章 18。



彼の言葉は飾り気がなく、この場にいる全員が心の底から実感していることだろう。

「ああ、思った以上に話してくれたな」
「僕たちは何を怖がっていたのか…」

そして、コニーが沈黙を破ったことで、ジャンとアルミンは次々に考えていたことを話し始めた。

俺は、三人の話に耳を傾けながら、先ほど俺たちの質問に真剣に答えてくれた兵長の姿を思い浮かべていた。

あの時の兵長は終始穏やかな雰囲気をまとい、非常に優しい言葉と声を発していた。一見すると分かりづらく、何も変化がないように感じるが、先ほどの兵長はこれまで接してきた兵長とは少し異なると感じた。

あの時の兵長の姿を見たとき、その場にいた全員が思ったことは、きっと一つだったに違いない。

「これまで、どれほどの間、一人で気持ちを抱え込み、辛く寂しい時間を過ごしてきたのか」ということだ。

ハンジさんからさんの話を聞き、兵長とさんがどれほどお互いを愛し合っているかを知ったとき、一人の人間としても兵士としても経験が不足していることを実感した。

兵士である以上、何よりもまず一般の人々を守り、この壁内に生きる人類のために利益を追求する。

そして、当然その過程で命を落とすこともあり得る。その中で、自分の目的を果たすために行動する。

俺たちは「他人のために行動する」中で、最終的には「自分の利益のために行動している」と実感したとき、兵長やさんのように、壁内の人類を守り、互いを守るために行動している姿を見て、「簡単に真似できることではない」と感じた。

兵長が何年もの間、さんを諦めずに探し続け、愛し続けたことは、測り知れないほどの時間と行動の積み重ねであったに違いない。

そのことを考えると、ハンジさんに銃口を突きつけて問い詰めていた兵長の姿が思い浮かぶ。下手をすれば、兵長はハンジさんを撃ち殺したかもしれない。しかし、その事実は兵長の感情の大きさと思いの深さを示しているのだろう。

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