第20章 18。
そして、今この場で肩の力を抜くことができているのは、兵長のおかげでもある。
先ほど夕食が終わり、片づけを終えたヒストリアを除いた俺たち6人は、勇気を出して兵長の奥さんである「さん」や「子ども」について尋ねてみた。
昼間、兵長が留守にしている間、俺たちの様子を伺いに来たハンジさんが言っていたように、俺たちも全く「無関係」ではない。しかし、「関係があるか」と問われれば、答えは前者になる。
実際のところ、俺たちは兵長とさんについて何も知らないのだ。
あの日、兵長がハンジさんを問い詰めた際、状況の説明を少し聞いただけで、当然過去のことを知らず、質問するにも何から尋ねればよいのかも分からなかった。
そのため、誰もが自分の考えをまとめることができず、どのような言葉を口にすべきかすら分からなかった。
それでも、俺たちは「無関係」だと承知していながらも、純粋に気になっていたことを兵長に尋ねてみた。何も答えてもらえないかもしれないと覚悟していた。
いくらハンジさんが背中を押してくれたとはいえ、俺たちはまだ兵長と過ごし始めて日が浅い。そのため、兵長はハンジさんのように俺たちに完全に気を許してはいない。
そして、一番肝心なことは、兵長が「上官」であるということだ。同期でもなく、気軽に接することなど到底できるはずがなかった。
それでも、気になり始めた俺たちは、その気持ちを解消できずに日々を持て余していた。特にさんと再会してからの兵長の言動が印象的だった。
もともと、兵長は任務やエルヴィン団長の指示を忠実に守り、自分ができる範囲の事柄に対して隙がなく、真面目に取り組んでいる。
俺たちも、そんな兵長のもとで生活する中でさまざまなことを学ばせてもらっている。
心から上官として、また一人の人間としても尊敬している。そのため、少しずつ兵長の「変化」に気づけるようになってきたと感じている。
最近の兵長の言動には「さんや家族」が関係しており、現在の兵長の原動力を理解することは容易であった。
「…なんて言うかさ…兵長も一人の男で人間なんだな」
しばらくの間、俺たちの間には沈黙が漂っており、なぜか誰も言葉を発しなかった。しかし、その沈黙を最初に破ったのはコニーだった。