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空を見上げた。

第20章 18。



俺はその言葉の意味が分からず、アルミンに視線を向けた。

すると、アルミンは優しい表情を浮かべながら俺の顔を見つめ返してきた。他に何も言うことなく、ただ優しい表情を浮かべているだけだった。

「5歳かぁ…可愛いんだろうなぁ…」
「ああ、可愛かったよ。生意気だったがな」

すると、コニーは少し鼻声でそう呟き、切なそうな表情を浮かべた。そして、テーブルの上で両手を置き、握りしめていた。

俺はその言葉を聞き、コニーの姿を見たとき、思わず言葉を詰まらせてしまった。

コニーの家族は巨人にされてしまった。そして、その報告を受けたとき、これまで俺たちが殺してきた巨人の正体が「人間」だと知り、「何の冗談だ」と思い、耳を疑った。

しかし、エレンが巨人化できることを考慮すれば、確証がなくても嘘偽りのない事実なのだろう。現在、それを裏付ける証拠も確証もないが、生きていれば信じがたい事実に直面することは誰にでもある。

コニーの場合、いや、それは彼一人の問題ではなく、俺たち全員にとって目を逸らすことのできない現実だ。

これから先、俺たちに待ち受ける現実や敵は決して簡単なものではなく、少なくないだろう。

そのため、俺は「今は味方でも、明日にはその人間が敵になる可能性を視野に入れ、警戒心を持って任務に当たれ」と全員に言い聞かせている。どこに危険が潜んでいるのかも分からず、何の保証も確証もない中で戦い続ける。命がいくつあっても足りないと感じてしまう。

それでも、俺の中には決して揺るがぬ意志がある。たとえ命がいくつあっても足りないとしても、今あるこの命を無駄にはしない。この命で、必ず俺自身の力でたちの元へ帰ってみせる。

そう思いながら、目の前にいる全員に視線を向けた。すると、すでに表情を曇らせていたコニーは、普段通りの様子に戻って、何やら楽しそうに話し始めた。

「5歳かぁ…あんまり想像できないけどさ、兵長に似てるのかな?」
「私は似ていないと思う。奥さんに似て、素直で優しい子だと思う。絶対に口が悪くて暴力的な子ではないと信じている…ので、奥さんに似ていると確信している」

コニーがひとり言のように呟くと、ミカサは一度俺を見て、そう言った。

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