第20章 18。
「どんな奴か…深く考えたことはねぇが、簡単に言えば、人のことばかり考えて自分のことは二の次にするような奴だ。素直なのか鈍感なのか、そのせいで無駄に空回りする言動をとることもある。まあ、それも慣れれば気にならなくなるが、今回の件はさすがに腹が立った」
俺は質問に答えながら、この回答が正しいのかと心の中で自問自答していた。しかし、回答を聞いた彼らは嬉しそうに表情を和らげた。その顔を見ると、「単純だな」と思い、その単純さがリヴの姿と重なって見えた。
「で、では!次は私が質問してもよろしいでしょうか!?お子さんは何歳ですか!?」
「サ、サシャっ!落ち着けよ!」
その後、緊張感が少し和らいだのか、サシャは元気よく手を上げてリヴの年齢を尋ねてきた。
ジャンがその勢いを窘めていたが、俺はサシャの落ち着きのなさを気にすることなく、彼女の質問に思考が再び悩まされた。
俺との血が繋がっている子どもはリヴだけだが、俺たちの子供はリヴだけではなく、シイナやルアも含まれる。
俺はハンジがどこまで彼らに説明しているのか把握しておらず、彼らの様子から、俺が一児の父親だと勘違いしているように見受けられた。
どこから説明を始めればいいのか悩みながらも、事実を伝えようと思い、口を開いた。
「血の繋がりがあるのは一人で、名前はリヴ、男で5歳だ。それに、血の繋がりはないが、娘が一人と息子が一人いる。名前はシイナで、年齢はと同い年の27歳だ。もう一人の息子はリヴと同じ5歳で、名前はルアだ。」
「えっ!?三人もお子さんがいらっしゃるんですか!?一人は血の繋がりがあり、二人は血の繋がりがないんですか…?情報が多すぎです」
サシャは俺の回答に驚き、その情報量の多さに頭を抱えている。
「だろうな、俺も自分のガキが生まれていることに驚いて言葉を失ったよ。そもそも、俺の前から姿を消した理由の一つが、子どもを妊娠したからだとか…お前らに説明しようにも、俺自身、未だに理解しきれていない部分が多い。だから、詳しいことは説明できない」
他の全員もそれぞれ思うところがあるのだろうか。三者三様の反応を示した。それでも、アルミンが小さく「良かった…」と呟いた。俺はその言葉の意味が分からず、アルミンに視線を向けた。