第20章 18。
すると、俺の言葉に対してコニーは素早く謝罪した。冗談が通じていない様子が伺え、思わずため息をついてしまった。
「冗談だ。真に受けるな、バカが」
俺が少し呆れてそう言うと、コニーは安堵したように体の力を抜き、椅子の背もたれに寄りかかった。そして、再びその場に沈黙が広がった。
しかし、誰もが黙ったままアルミンに視線を向け、「お前が聞け」「なんで!?」というような無言の言い合いが繰り広げられていた。
俺と、いや、とリヴたちについて気になって仕方がないのだろう。無理もない。彼らは兵士とはいえ、まだ15歳だ。
職業柄、普段恋愛やそういった類に触れる機会がないとはいえ、年頃であることには変わりない。気になるのも当然だろう。
彼らは一般的に同年代が経験することのない、日常的に大切な人を失う痛みを抱えており、今後もその痛みを抱え続けていくことになる。
現在も食後の一息をついている最中であっても、任務中であることには変わりない。常に緊張感のある状態が続いている。時には上官として、一人の大人として息抜きの場を設けるのは、決して悪いことではないだろう。
「そういえば、あの日、お前たちはあの場に居合わせていたんだよな。情けないところを見せた。忘れろ」
俺はそう言い、あの日のことを思い出し、ハンジにの生死や居場所を問い詰めたことを思い出し、顔をしかめながらティーカップをの縁を持ち紅茶を一口飲んだ。
「それができたら、苦労しませんよ…」
すると、肩を落としてサシャが呟き、その場の全員が「同感だ」と言うように頷いた。俺は心の中で「それもそうか」と思いながら、あの日の自分が彼らにとって大きな影響を与えたことを再確認した。
俺自身、何度もあの日の自分の異常さや余裕のなさを忘れたいと思っていても、忘れることはできなかった。
今でも時折思い出しては、ハンジに申し訳なく感じている。ハンジは「謝るな」と言ってくれたが、状況がどうであれ仲間に銃口を向けた事実は変わらず、褒められたことではない。
過ぎたことをいつまでも考えるのは無駄だと理解していても、思い出すと心苦しさが胸を締め付ける。