第20章 18。
「時間があるときにでも聞いてみなよ!嫌な顔はしないと思うよ?…多分だけど…」
私はそう考え、エレンたちに笑いながらそのことを伝えた。
しかし、明確に「聞いても大丈夫だ」とは言えずに、語尾が曖昧になってしまった。それを聞いたエレンは安心した表情を浮かべるどころか、ますます不安そうな表情を浮かべたのだ。
そして、「俺たちだけじゃ無理ですって…」と眉をひそめ、何かに怯えるように体を縮こまらせながら呟いた。
エレンはこの場にいるメンバーよりもリヴァイと過ごした時間が長いため、リヴァイの性格をある程度把握しているのだろう。
また、リヴァイもエレンには他のメンバーよりも厳しく接しているのかもしれない。私はそう思いながら肩をすくめ、静かにエレンに近づき肩に手を置き、安心させるように優しく数回叩いた。
すると、エレンは恐る恐る私に視線を向け、「…やれるだけ…まぁ、頑張ってみます」と曖昧な言葉を投げかけ、苦笑いを浮かべた。私はそのエレンの様子と言葉を聞いて、しっかりと頷いた。
「それじゃあ、私は失礼するよ!次の実験のときにまた来るから!」
そして、私はそう言いながら、落ち着きのないリヴァイの姿を思い浮かべ、「自分も油を売っている暇はない」と考え、帰ろうとした。
すると、その場にいた全員が私を見て、敬礼の姿勢を取った。私はその様子を見て、軽く頷き、微笑みを浮かべながら片手を上げてその場を後にした。
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夕食を終え、片付けを済ませた後、俺はアルミンに食後の紅茶を淹れてもらい、それを静かに味わっていた。
ヒストリアは一足先に自室に戻り、いつもと変わらない夕食後の時間が流れていた。しかし、今日は普段と少し異なり、誰も一言も発しない静かな時間が続いていた。
普段ならサシャとコニーが騒ぎ、それを窘めるアルミンやジャンの姿が見られるが、今日はサシャもコニーも静かに席に座っていた。
目の前に広がる光景に不思議な感覚を抱きながら、ティーカップの縁に口をつけ、紅茶を飲んだ。しかし、時折感じる視線が気にならないわけではない。紅茶を飲み続けていると、コニーがちらちらと俺とテーブルを交互に見ていた。