第20章 18。
すると、エレンが苦笑いしながらそう教えてくれた。私はその言葉を聞いて、「まぁ、じっとしているのは無理だよね」と乾いた笑みを浮かべながら返答した。
すると、ヒストリアと一緒に夕食の支度をしていたコニーが大きなため息をついた。
「最近の兵長さ、今まで以上に厳しくなってるっていうか…さんに会いに行ってから少しは優しくなるかなって期待していたんだけど…俺の考えは甘かったんですかね?」
「コニー…お前は何もわかってねぇな…優しくなるはずがないだろう!仕方がないとはいえ、好きな人に会えない時間が増えるんだぞ!?優しくなるわけがねぇだろ…真逆だ、真逆!」
「そうですよ、コニー。私も少し期待していましたが…よく考えれば簡単にわかることですね…」
すると、ため息交じりに呟いたコニーの話に、サシャとジャンがすかさず冷静なツッコミを入れた。そして、三人はため息をつき、肩を落としていた。
私は三人の様子を見て、やはり苦笑いを浮かべることしかできず、少し不憫に思った。
そして、私はふと三人に向けていた視線をコニーに向け、食事の支度をしているヒストリアに向けた。彼女の表情は非常に暗く、以前のような天真爛漫で元気な姿は見られなかった。
私は彼女の生い立ちに関する報告書を読んだ際、「気の毒だったな」と思った。そして今、彼女と仲が良かったユミルの姿もそばにはいない。彼女の心中には、思うところが山ほどあるのだろう。
私は彼女に対して気の利いた言葉も思いつかず、そっとしておこうと思った。彼女には彼女にしか分からない痛みや苦労がある。外部の人間が何を言っても、それが解消されるとは限らないのだ。
「まぁ、いろいろと忙しそうに動いているし、気を紛らわせたいんだろうねぇ…ところで、みんなはリヴァイにの話を聞いていないの?無関係ではないんだから、聞いてみても良いと思うけど」
私はヒストリアから視線を逸らし、その場にいる全員に目を向けて問いかけた。すると、少し事情を知っているヒストリア以外のメンバーは、あからさまに肩を落とし、気まずそうな表情を浮かべ、視線を向けてきた。私は彼らの様子を見て首を傾げた。