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空を見上げた。

第20章 18。



「みんなー!お疲れ様…って、今日も今日とて掃除かい?」

私は今、リヴァイが新たに編成したリヴァイ班の拠点である山奥の宿舎を訪れている。特に用事はなく、今日は先日まで拠点としていた古城からここに移転してまだ日が浅いので、みんなの様子を見に来ただけだ。

新しいリヴァイ班のメンバーは主に104期のメンバーで構成されており、エレンとヒストリアの護衛という重要な任務を担っている。

一見すると「重要」と言われてもピンと来ないかもしれないが、現在の壁内でのエレンとヒストリアを取り巻く環境には不穏な空気が漂っており、物騒な状況が続いている。

そのため、彼らが従事している任務は非常に「重要」と言えるだろう。

「あ、ハンジさん、お疲れ様です。はは、まぁ…そうですね…」

すると、ちょうど掃き掃除をしていたエレンと出くわし、彼は敬礼しながら苦笑いを浮かべてそう言った。それから、私の存在に気づいたその場にいる全員が敬礼し、私は彼らに片手を上げて再び「お疲れさま」と笑いかけた。

私は彼の様子を見て、「あはは…」と乾いた笑いを漏らした。任務中とはいえ、基本的に問題が発生するまでは特に行動を起こすことはない。

そのため、様子を見に来ても、護衛対象のエレンとヒストリア以外のメンバーは基本的に宿舎の見張りや食料調達、掃除をしており、一見すると日常生活と何も変わらないように感じられる。

「あれ?今日はエレンの硬質化の実験ではないですよね?兵長に何かご用ですか?」

すると、窓を拭いていたサシャは首を傾げながら話しかけてきた。

「うん、特に用事はないんだけど、一応様子を見に来ただけだよ」

私はそう言いながら、後頭部に片手を置き、もう一方の手を腰に当てた。エレンの実験を行う際は、必ずリヴァイの立ち合いが必要なため、今日は本当にただ様子を見に来ただけだと伝えた。

すると、サシャは頷き、窓の拭き掃除を再開した。
それから、私は室内に視線を巡らせると、現在室内にいるのはジャン、サシャ、コニー、エレン、そしてヒストリアだけだった。

この場にいないミカサとアルミンは見張り番として外にいたため、ここを訪れた際に挨拶を交わしてきた。

「そうですか。先程までいたんですが、いつの間にか出かけてしまいました。多分、団長のところに行ったのではないでしょうか?」

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