第19章 17。
私は室内に巡らせていた視線を「小さな愛おしい存在」に向け、強く抱きしめた。
そして、幼い二人の体温を感じた瞬間、体の力が抜け、杖を手放すと、カタンと杖が床に倒れる音と共に、体勢がズルズルとその場に崩れ落ちていった。
リヴとルアは私に抱き着いたまま、私の体重に耐えきれず、一緒にその場に崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。その時、咄嗟にシイナが近寄ってきて、私たち3人の体を支えてくれた。
「ごめっ…ごめんなさぃ…リヴ、ルア…シイナも…ごめんっごめんなさいっ」
私は3人に何度も謝りながら、再び溢れ出てきた涙を我慢せずに、泣きながら三人にすがりつくように抱きしめた。
すると、リヴたちは私を強く抱きしめ返し、シイナは私たちに覆いかぶさるように強く抱きしめてくれた。
リヴァイさんに抱きしめられたときとは異なる温もりだが、それでも「愛おしい存在」の温もりに変わりはない。
「いいよ、泣いても大丈夫だよ」
「うん、僕たちはずっとそばにいるから、泣きたいときは泣いてもいいんだよ」
リヴとルアはそう言いながら、涙に濡れた、見るに堪えない私の顔を見上げて、優しい表情で微笑み、それぞれの片手で私の頬を包み込み、優しく撫でてくれた。
シイナは何も言わずに私たちを抱きしめ、私たちの頭を撫でてくれた。私は三人の言動に心から感謝し、何度も頷きながら、「もう少しだけ、このままで…」と心の中で呟き、三人にすがりつくように泣き続けた。
「泣かない」など到底無理な話で、そんな決意はただの強がりだ。いつだって私は弱いのだ。それでも、今日、リヴァイさんに再会できたことに後悔は全くない。
そう思いながら、私はふと、ハンジ先輩にマントを燃やしてほしいとお願いした日のことを思い出した。リヴァイさんも言っていたように、先輩には申し訳ないことをしてしまった。
それでも、先輩は私のことを思い、行動に移してくれた。そして、あの時の「お願い」が、このような形で私とリヴァイさんを再び巡り合わせた。
私も先輩も何の覚悟もなく決断を下したのではない。きっと、先輩が私の弱さを共に背負い、行動に移してくれた「過去」のおかげで、「今日」があり、私たち家族のこれからの「未来」がある。