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空を見上げた。

第19章 17。



すると、リヴァイさんが再び両手で私の頬を包み、何度も優しく撫でてくれた。

私はその手の優しさに心から安心感を抱き、一度まぶたを閉じてから、ゆっくりと開き、同じように彼の頬を両手で包み込み撫でた。

もう、お互いの両手は震えていなかった。きっと、リヴァイさんの中でも何か「覚悟」を決め「考え」がまとまったのだろう。彼の表情が少し晴れやかに感じられた。

約束も何もできないけれど、私は「待っています」という思いを込めて、彼の頬を両手で包み、何度も優しく撫でた。

すると、リヴァイさんは一度まぶたを閉じて、深呼吸をした。そして、まぶたを震わせて開けると、小さく微笑んだ。

「…行ってくる。体に気を付けろ」

リヴァイさんは静かな声ではっきりとそう言い、最後に両手で私の頬を包み込んだまま私の額に自分の額をそっと合わせた。

そして、しばらくの間黙っていたが、「待っていてくれ」「必ず帰ってくる」という言葉を口にすることなく、最後に私の額に口づけをして離れていった。

「はい、あなたも体に気をつけて、どうかご無事で…行ってらっしゃい」

そして最後に私の頬を包み込む両手に自分の両手を重ね、私は頷きながらそう言い、まぶたを閉じて微笑んだ。

私はふと、気づかぬうちに溢れ出て止まらなかった涙が今は止まっていることに気づき胸を撫で下ろし、笑顔で見送ることができそうだと心から安心していた。

そして、私の頬を包む両手が滑り落ちるように離れていった。その後、リヴァイさんは何も言わずに庭につながれている馬に近づき、優しくその顔を撫でた。

そして、手綱をしっかりと握りしめ、背中に飛び乗った。彼は一度私に視線を向け、手綱を軽く叩くと、馬は素早くその場を離れていった。リヴァイさんは決して振り返らずに我が家を後にした。

私は近くに立てかけてあった杖を手に取り、その場で崩れそうになる体勢を支えた。その後しばらくの間、姿が見えなくなってからも、その場から動けず立ち尽くしていた。

「(ああ、行ってしまった…)」

「行かないで…」と言えたなら、どれほど心の中にある焦燥感や侘しさ、さらには名前を付けようとするとキリがなくなるほどの感情が消えるだろうか。

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