第19章 17。
それでも、今彼が何を考えているのか容易に想像できた。まるで私に「離れたくない」と伝えているかのようで、私は自分の唇に指先を当て、一度まぶたを閉じた。
その後、短く交わされた口づけは夢でも幻でもなく、正真正銘の現実だと理解した。そのことは、私の唇に残る彼の温もりが物語っていた。
私は一度まぶたを閉じ、その事実を胸に抱き、涙を流しながら微笑んだ。そして、そっとまぶたを開き、リヴァイさんを見つめ、同じように彼の頬を両手で包み、優しく撫でた。
自分自身でもはっきりと分かるほど、その両手は震えている。しかし、リヴァイさんは私の両手で撫でられていることに安心しているかのようにまぶたを閉じ、頬ずりをしながら口角を上げた。
それから、そっとまぶたを開き、私の両手を取り、一度強く握ると、そのまま私の背後に回り込み、そっと、しかし強く抱きしめてくれた。
そして、一瞬黙り込み、小さく息を吐くと、目の前に広がる夜空に視線を移し、夜空を指さした。
「、見てみろ。月が…綺麗だな」
私は背中に感じる温もりに全てを委ねながら、同じように夜空を見上げ、指し示された先を辿った。そこには、満月ではない少し欠けた月が、かすかに月明かりを放ちその存在を主張していた。
リヴァイさんは静かで穏やかな雰囲気を漂わせながら夜空を見上げ、背後から私を抱きしめ、私の頭に頬ずりをした。私は目の前に広がる夜空を見上げ、微笑んだ。
「はい。きっと、あなたと一緒に見ているからでしょうね…」
そして、私はそう言いながら微笑み、背後にいるリヴァイさんに顔を向けると、お互いの顔が引き寄せられるように近づき、再び口づけを交わした。暗闇の中、私たち二人を見守るように幾千もの星が瞬き、月明かりが照らしていた。
しばらくの間、寄り添いながら夜空を見上げ、口づけの余韻に浸っていたが、時間の経過は非常に早い。そして、私たちは抱擁を解き、向かい合った。
その後、再び両手で互いの頬を包み、優しく撫でながら見つめ合った。すると、リヴァイさんは再び夜空を見上げた。何も言葉を発せず、彼が何を考えているのか分からなかった。
それでも構わない。同じ空間で過ごし、景色を共に見ることができる、「最初で最後」になるかもしれないこの瞬間を大切にしたい。