第19章 17。
それでも、いざ離れ離れになる現実と向き合った瞬間、リヴァイさんに抱きつき、泣き叫びたいという感情が全身を駆け巡った。
寂しさと心苦しさ、そして恐怖心が心の中で渦巻き、胸を強く締め付け、かき乱した。
それでも、何とか耐えてきた。しかし、今再びその感情に支配されそうになる自分に気づき、その現実から逃げるように唇を噛みしめることしかできない。
それでも、待つことしかできない状況で、私の心を支えているのは、リヴとルア、そしてシイナの存在だ。私一人でリヴァイさんの帰りを待ち続けるのではなく、家族全員で無事を祈りながら彼の帰りを待ち続ける。
「家族」の存在が、心の中をかき乱す嫌な想像や卑屈になりそうな自分を支えてくれるとは、これまで想像もしていなかったし、考えもしなかった。
家の外はすでに夜の帳が下りており、私たちがいる場所を照らしているのは、室内からわずかに漏れ出ている明かりだけだ。
一瞬空を見上げたとき、見えた夜空には少し欠けた月と、幾千もの星が瞬いていた。満月には及ばないものの、その月明かりは非常に美しかった。
私たちは向かい合ったまま、何も話さずにその場にたたずんでいる。今、この瞬間も無駄にはできない貴重な時間だ。
しかし、そんな貴重な時間を私は無駄にしてしまっているようで、焦燥感に駆られる。ただ無情にも時間は過ぎていく。今日一日、何度も考え、考えないように目をそらしていた現実が目の前にある。
「今日が最後になる確率の高さ」を考え始めると、実際にそうなってしまいそうで、微かに全身が震えている気がした。考えないようにすればするほど恐怖心が募り、今、何かを考えて行動に移そうとするのを妨げていた。
それでも、「未来」は誰にも分からない。リヴァイさんにも私にも、リヴたちやシイナですら想像できない。
「未来」を形作るのは、それぞれ生きている私たち自身だ。恐れていては何も始まらず、ただ時間を無駄にするだけだ。私たちは無意味な時間を過ごさないために、今日、お互いに目を逸らしたい現実に向き合った。
そのことだけは無駄にしたくない。リヴァイさんと向き合った時間、リヴと向き合った時間、そして家族5人で過ごした時間を決して無駄で無意味なものだと思いたくはない。