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空を見上げた。

第19章 17。



リヴァイさんとリヴたちとシイナは家の中で別れを済ませた。帰り際、リヴとルアの様子は落ち着いていた。

てっきり愚図るかもしれないと思っていたが、リヴァイさんと三人で話し合い、向き合った時間が二人を落ち着かせたのだろう。

シイナは相変わらず冷静で、三人は「いってらっしゃい」と笑顔で彼に告げていた。帰り際、リヴァイさんは一瞬、寂しそうな表情を見せたが、すぐに気持ちを切り替え、「行ってくる」と落ち着いた雰囲気で、静かにはっきりとした口調で言った。

その後、リヴとルアを最後に抱きしめ、シイナに「後は頼んだ」と告げた。その言葉に真剣な表情を浮かべ、しっかりと頷いた彼女は非常に毅然としており、これまで私を支えてくれていたとき以上に頼もしく見えた。

その後、三人は気を遣ってくれたのだろう。二人きりにしてくれた。そして、私とリヴァイさんは今、家の入口を出てすぐの場所で、ただ黙って向かい合っている。何か言葉をかけたい。

伝えたいことはたくさんある。しかし、思考がうまく働かず、言葉が何も浮かばない。私は口を開け閉めすることを繰り返していた。

私は先ほどの四人のやり取りを思い出し、今の自分の情けなさを痛感し、この場にいる。三人の心遣いに対して、心の中で感謝の気持ちと複雑な感情を抱き、感情が入り混じりなかなか対処できずにいた。

決してリヴァイさんと二人きりになるのが嫌なわけではない。むしろ、二人きりになれたことを感謝し、安心感を抱いている。家族5人で過ごした時間も貴重で幸せで、かけがえのないものだった。そのことを考えると、今の私たちにとって二人きりの時間以上に貴重なものはないだろう。

もう、「今日」はお別れの時間だ。「永遠の別れ」ではないとしても、次にいつ帰ってきてくれるのか分からない。そのため、いつ会えるのかも分からない。

この家で、ただ無事を祈りながら待つことしかできない。そんな些細なことしかできない自分が、役立たずに思えてしまい、これから先本当にリヴァイさんの支えになれるのかと、卑屈になってしまう。

今日彼と過ごしている時間の中で、その考えが強く心を占めていた。そして、できるだけ嫌な想像や思いを抱かぬよう心がけていた。

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