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空を見上げた。

第19章 17。



私が紅茶を淹れた時、リヴが「父さんは紅茶が好きなの?」と尋ねた。すると、リヴァイさんはその質問に対し、「ああ」とはっきりと答えた。

その返答を聞いたリヴは、父親の様子を見て私に視線を向け、ニヤリと笑った。きっとリヴはこれまで、私が紅茶を好んで飲んでいた理由を理解したのだろう。

余計なことは何も言わなかったが、私は羞恥心を隠せずに戸惑った。それでも、リヴはこれまで知ることのできなかった「母親の一面」を知ることができたことに、心から満足そうな表情と嬉しそうな満面の笑みを浮かべていた。

私はその姿を見て、羞恥心や戸惑いよりも、今日何度も見てきた息子の笑顔に安心感を抱いた。

そして、椅子に座り静かに本を読んでいるルアの隣に座り、以前は一切興味を持たなかった本を覗き込んだ。そんなリヴに気づいたルアは、二人で読みやすいように椅子と体を近づけ、本の内容を解説し楽しそうに過ごしていた。

私はその二人の姿を見て、今日一日でこれまでの生活が一変し、様変わりしてしまったことに最初は戸惑ったが、不思議と違和感を覚えていない自分に驚いていた。

それほど、リヴァイさんの存在はこの家に馴染んでおり、すでに彼は私たち家族にとって必要不可欠な存在になっていた。そのことについて一番実感しているのはリヴァイさんも同じだろう。

終始穏やかな雰囲気を漂わせている彼は、昔私と二人で過ごした日々以上に、安心感を抱いていると容易に察せられた。
私はそう考えながら、先ほど洗い物を終えた後の出来事を思い出していた。それは私やシイナ、そしてリヴにも無関係ではないが、最も関係が深いのはルアである。

洗い物を終えて一段落した後、ルアが本を読み始めると、リヴァイさんは真剣な表情でルアを呼び、目線を合わせるためにしゃがみ込み、そっと両肩に手を置いた。

そして、「助けられなくて、すまなかった」と言った。その後何も言わず、小さな体を強く抱きしめた。ルアは最初、何を言われているのか分からない様子で首を傾げていた。

しかし、次第に言葉の意味を理解すると、リヴァイさんの背中に腕を回し、しがみつくように抱きつき、声を上げて泣き出した。リヴァイさんはその姿を見て、まぶたを閉じ、悔しそうな表情を浮かべていた。

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