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空を見上げた。

第19章 17。



私たちの視線の先には、リヴァイさんとリヴたちが3人で流しに並んで洗い物をしている姿がある。普段は基本的にシイナが洗い物を担当しており、今まで二人が率先して手伝うことはなかった。

しかし今日、リヴたちは初めて自分たちから率先して片付けを手伝い始めた。きっと父親に「良いところ」を見せたいのだろう。お互いに文句を言い合いながらも、飽きずに頑張っている。

「お前らな…リヴ、これ落ちてねぇ。洗い直しだ」

リヴァイさんは洗い終わった器を拭いて食器棚に戻しながら、二人の様子を呆れて見つめていた。しかし、落ちていない汚れは見逃さず、その場合は容赦なく洗い直させていた。

「えー、落ちてるよー」

洗い直しを言い渡されたリヴは、肩を落としながら汚れが落ちていない器を受け取り、再度洗い直している。

「ほーら、やっぱり落ちてないじゃん」
「うるさい!お前のそういうところ、本当に嫌い!」

ルアはその姿を見てわざとらしくそう言い、顔をしかめて反論するリヴがいる。私は一瞬、「また喧嘩が始まるのか…」と思い、身構えた。

しかし、すかさずリヴァイさんが「口を動かしている暇があるなら手を動かせ」と言うと、二人は睨み合いながら真剣な表情を浮かべ競い合うように手を動かし始めた。

リヴァイさんはそんな二人の様子を横目で見て、口角を少し上げた。

私は三人の様子を見て、喧嘩が始まらなかったことに安心し、「父親の存在は大きい」と思いながら微笑んだ。

そして、隣に座っているシイナに視線を向けると、彼女は口元を手で覆い、笑いを堪えながら三人の様子を見つめていた。

私は「家族5人で過ごす時間がこれほどまでに幸せなものなのか」と思いながら、リラックスして椅子の背もたれに寄りかかり、まぶたを閉じ、普段とは異なる賑やかさに耳を傾けた。

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しばらくの間、騒がしい時間が続いていたが、何とか不慣れな家事を終えた二人は、今それぞれの時間を過ごしていた。

私はリヴァイさんに食後の紅茶を淹れ、彼は一仕事を終えたことに満足そうな表情で、椅子の背もたれに片腕をかけ、リラックスしながら座り紅茶を飲んでいる。その姿にとても懐かしさを感じた。

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