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空を見上げた。

第19章 17。



私はこれまで自分のことしか考えず、無意味に7年間もリヴァイさんと過ごす時間、彼の思いや愛情を無駄にし、5年もの間、ろくにリヴたちと向き合わず、彼らの思いや考えを聞かずに二人の世界を狭めていた。

それでも、リヴァイさんは「すまなかった」と謝り、リヴは私を責めることなく、家族や私と向き合えなかったことを「寂しかった」と泣きながら訴えた。

当然だ。何度も感じていたことだが、リヴとルアはまだ5歳だが、もう5歳なのだ。大人というには幼すぎるが、年齢に関係なく重要な事柄は必ず存在する。

きっと、2人はこれまでの生活や私の言動が無意味で無駄だったと理解していたのだろう。
私に抱きつき、涙を流すリヴの姿は悲痛であり、その様子や口から発せられる言葉すべてが私の胸をえぐり、強く締め付けた。

あの子の涙を見たのは、いつ以来だろうか。この腕に抱きしめたのは、いつ以来だろうか。

泣き出したリヴの姿を見て抱きしめたとき、私に投げかけられる言葉一つひとつが、あの子の成長を実感させてくれた。その瞬間、向き合えなかった5年間が惜しまれた。

しかし、全ては「今更」だ。リヴたちだけでなく、リヴァイさんと離れ離れになってしまった月日も、どんなに望んでも戻ることはない。どんなに悔やんでも、時間は戻らない。

それならば、先ほどリヴァイさんが言っていたように、「過去は過去」と割り切り、これから訪れる「未来」を何よりも真剣に考え、受け入れていくことが重要だ。

そして、今私の目の前で落ち着きがなくもとても幸せそうな二人の姿を目にすれば、これからは「隠し事」は必要なく、私の言葉や存在がリヴァイさん、リヴ、ルア、そしてシイナを幸せにするために必要なものであると確信できる。

もう無意味な言動を取る必要はない。誰よりも真っ直ぐに向き合い、これまで以上に愛し続ける。それだけで十分だ。私一人ではどうにもならないことは確かに存在するが、これからは一人で抱え込む必要はなくなった。何にも代えがたい「家族」がそばにいるのだ。

「(あぁ、なんて私は幸せ者なのだろう…)」

私は一度まぶたを閉じて、心の中で呟いた。それから再びまぶたを開き、目の前に広がる現実を胸に刻み込んだ。

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