第5章 3。
それでも、二人に日々苛立ちや寂しさを感じることが増えたのは、二人がそれぞれのペースで健やかに成長している証だと私は考えている。そして、二人が健やかに成長しているということは、少なからず私たちも成長しているのだろう。
子育ては想像以上に大変だった。片脚が不自由な私には、決して一人では困難なことだっただろう。それでも、私は一人ではない、身の回りの世話を含め、私が手に負えない部分を支えてくれている娘のシイナは、昔も今も、そしてこれから先も心強い存在に変わりはないだろう。
「見守ることしかできないのかな?」
と私はそう呟いた後、しばらくその場から動けずに窓の外を見つめていた。そして、一度まぶたを閉じてから再び開けると、庭を見つめ直し、二人の面影を思い浮かべた。
つい先ほどまで各々過ごしていたリヴたちの姿が自然と浮かび上がり、その微笑ましさに口角が上がった。 子供に対する接し方は、母親として、また一人の人間としてもそれぞれ異なる。そして、それは各家庭でも異なってくるものだ。
しかし、私が二人に接する態度に問題があると私が感じていることは明らかだった。おそらく、二人も幼いながらに薄々感じているのではないかと思い、私はどうすればよいのか分からず、大きく息を吸って吐いた。
これまで何もできず、行動に移せなかった自分に嫌気がさしたことは何度もある。そう考えながら、窓の外に視線をやり、杖を突きながらゆっくりとその場を離れ、娘の部屋と息子たちの部屋を通り過ぎて自室へ向かった。
静かに自室のドアを開けると、陰湿な空気が充満した室内が広がっていた。ベッドの近くにあるリビングの窓よりも少し小さい窓を開けて、空気の入れ替えを行った。
今日はとても天気が良く、風も心地よい。庭に干してある洗濯物も、しっかりと乾くだろう。私はその空気を実感しながら、リヴに「地面に寝ころぶな」と毎回注意するが、あの子の気持ちも少しは理解できると思った。
私は部屋の中に出入りする爽やかな風に身も心も委ね、心に抱いていた辛気臭い気持ちと室内に充満していた空気が外へ運び出されていくように感じながら、ベッドサイドテーブルの小さな箱に視線を移し、その箱を恐る恐る開け、小さな鍵を取り出した。その鍵を手に取り、息を呑みながら一度じっと見つめてから、握りしめ胸に抱きしめた。
