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空を見上げた。

第18章 16。



俺が泣き止み落ち着いた後、4人でテーブルを囲んで座った。

そして、落ち着いた俺とルアに母さんが男性を紹介しようとしたが、姉さんがそろそろ仕事から帰宅するため、家族全員が揃ってから改めて紹介すると言われてしまった。

そのため、姉さんが帰宅するまでの間、この気まずい雰囲気に耐えなければならず、紅茶を淹れてもらって飲んでいる男性と隣に座っている母さんの関係について疑問が募るばかりだった。

普段ならそろそろ帰宅するはずの姉さんが、今日はなかなか帰ってこなかった。残業をしているのだろうか、それとも買い物をしているのだろうか、帰宅が遅れている。俺とルアは無意識のうちにテーブルの下で手を握り合っていた。その時…

「ただいま。ねぇ、洗濯物が途中で終わっているんだけど…って、うそ…ぇ…なんで」

静かに家のドアが開き、片手に鞄を持ち、もう一方の手で洗濯物が入った籠を持った姉さんが呆れた様子で俺たちに視線を移した。

そして、室内の光景を見て目を見開き、言葉を失い口を両手で覆った。その瞬間、姉さんが持っていた鞄と籠がバサリと床に落ち、俺とルアはその反応に顔を見合わせて首を傾げた。そして、母さんに視線を向けると、苦笑いを浮かべていた。

「ごめんなさい、洗濯物は洗い直しになってしまって。あ、この状況の説明は、あなたが帰ってきてからの方が良いと思って待ってたの。椅子が足りないから、自分の部屋から持ってきてくれる?」

「え、あ…うん、洗濯物は大丈夫だよ。やり直すから…待っててくれたんだね、ごめんね。分かった、すぐ戻るよ」

そして、苦笑いを浮かべながら状況を説明する母さんと、戸惑いながらその話を聞いている姉さんは、洗濯物が入った籠を部屋の隅に置き、自分の鞄を手に持って急いで自分の部屋に戻っていった。数分もしないうちに椅子を持ってリビングに戻ると、ルアの横に椅子を置いて静かに座った。

いよいよこの状況の説明と、男性と母さんの関係性、そして現在疑問に思っている問題の答えが聞けると俺は思い、テーブルの下で繋いでいるルアの手を握りしめた。

その手はこれまでにないほど震え、手汗をかいていた。そんな俺の「不安」と「緊張」を察したルアの手が、一層強く握り返してきた。

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