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空を見上げた。

第17章 15。



そのため、と子どもだけで生活するのは非常に不便であり、まともに生活できないと感じた。

そう心配していた中で、ハンジから「同い年の同居人がいる」と聞き、安心した。の手が届かない部分を、その人物が全般的に担っているのであろう。
俺はそう考えながら、何度も手元にある住所が書かれた紙と周囲の街並みを俺は見比べる。

時折、ここに記載されている住所は本当に正しいのかと疑問に思うことがある。しかし、あの場面でハンジが嘘をつくはずはないと考え、注意深く周囲に視線を巡らせた。その時…!

「…っ!」

ふと、これまで進んできた細い道から少し広い道に出た瞬間、目の前に小さな庭付きの一軒家が飛び込んできた。

俺は咄嗟に手に持っている紙に視線を移し、住所の他に「小さな庭が目印!」と書かれた部分に目が釘付けになった。

そして、その文章と目の前にある庭付きの一軒家を何度も交互に見つめ、周囲に他に「庭付きの一軒家」が存在しないことを確認すると、「ようやく俺が長年探し求めてきた目的地に辿り着くことができた」と心の底から安心感が湧き上がってきた。

俺はその場で馬から下り、片手で手綱を握りしめ、高鳴る鼓動を抑え、逸る気持ちを落ち着けながらゆっくりと歩みを進めていく。しかし、時折、歩みが止まってしまう。そんな自分に舌打ちをしながら、「ハンジも同じ気持ちだったのだろうか」と心の中で自嘲気味に呟いた。

そして、躊躇していても何も始まらない。一秒たりとも無駄にできない貴重な時間を考えながら、大きく深く深呼吸を繰り返し、ゆっくりと足を動かし始めた。

一歩、また一歩と歩みを進めるたびに、いつも見ている夢のように、寸前で目の前の光景が消えてしまうのではないかという不安に駆られる。

無意識に手綱を握る手に力が入り、空いているもう一方の手に視線を移し、閉じたり開いたりするのを繰り返した。その中で、一度まぶたを閉じて周囲に意識を集中させると、これまで見てきた夢が非常に無機質であったことを実感した。そして、俺は「これは夢ではない。現実だ」と自分に言い聞かせた。

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