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空を見上げた。

第16章 14。



私たちは相変わらず余計な話をせず、必要最低限の問答を繰り返していた。それ以外の時間は静かに、黙って薄暗くなりつつある窓の外を見つめていた。

しかし、私がこの部屋を訪れてからリヴァイに視線を向けることはあっても、彼が私に視線を向けてくることはなかった。きっと窓の外にある「二人の場所」を見つめながら、当時二人で過ごしていた日々を思い出しているのだろう。

今、リヴァイは過去のの存在にしがみつくことしかできない。そして、仮に再会できたとしても、未来のことを考え始めると、幸せな日常を共に過ごせないだろう。

むしろ、と過ごせる時間も、家族全員が一緒に過ごせる時間も、非常に短く限られている。そのため、心から喜ばしい現実に対して、大きな葛藤や複雑な感情が心を締めつけ、彼の背中に覆いかぶさっているのだろう。

きっと今、リヴァイは自分なりにできることを思案し、どのように判断を下し行動に移すべきか考えているのだろう。

一兵士であれば、引退を考えることもあったかもしれない。しかし、リヴァイは調査兵団の幹部であり、兵士長という肩書きを無責任に投げ出すことはないと私は確信している。

リヴァイという存在は、兵士にとっても一般市民にとっても「希望」の一部である。そして、この数年の間に壁の中でも平和が訪れていないことを、王政や各兵団の兵士、一般市民も実感している。

その事実を考慮し、の生死がはっきりした今、リヴァイは彼女と息子たちを守るために兵士を辞める選択はしないと考えている。

たとえ、もしもの時に自分がそばにいられなくても、そのことを承知の上で、少しでも悔いが残らないように、生きているうちにリヴァイなりにできる限りのことを実行するだろう。

「…あの夜、何を燃やしていた…」

「マントと3通の手紙だ。昔、君はに自分が着なくなったマントをあげただろう?それを私と再会する日まで、大切に保管していたんだ。もう一通は、リヴが生まれた時に送られた、「生まれた」という報告の手紙だ。住所も差出人も記載のない手紙だった。残りの2通のうち、一通は私宛のものだ。読まなかったけど…もう一通は君宛のものだ。マントと一緒に処分してほしいと頼まれたんだ。中身は分からない。でも、とても分厚い手紙だったよ。」

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