第16章 14。
すると、リヴァイが言うように、確かにこの部屋の窓からは、現在多くの草木に囲まれた鬱蒼とした「二人の場所」が見えた。きっと、現在のあの場所は意識して注意を払わないと見落としてしまうほどの、ただの広大な土地の一部になっている。
それでも、あの場所は私とリヴァイ、そしてにとって非常に大切な場所であり、が姿を消した後、何度忘れようと試みても無意味で、無駄な時間だった。
しかし、エレンが調査兵団に入団が決まり、彼の「監視・隔離」を目的としてこの旧調査兵団本部に拠点を置くことになったとき、正直に言うと、私はあの「二人の場所」を半分忘れていた。
しかし、リヴァイは別だっただろう。ここに滞在することが決まった際、リヴァイがどんな思いを抱き、何を感じたのかは分からない。
それでも、何も感じず、思わなかったはずはない。そして、と再会し、マントを処分した昨夜に過去の幻影を見たとき、私は「二人の場所」を忘れていたことに気づき、自分の愚かさを実感した。
なぜ忘れていたのか…疑問に思っても明確な回答は浮かばない。おそらく、私は「リヴァイに隠し事をして裏切っている自分」から目を逸らしていたのだろう。
そのため、直面することを恐れ、気にしないように自分を誤魔化していたのだろう。そして、いつの間にか、調査兵団の仕事や任務がこれまで以上に忙しくなり、目が回るような日々が続いたため、完全に頭の中から追い出されてしまったのだろう。
そんな日々を何年も過ごしてきた中で、昨夜、幻覚を通じて思い出したことに対し、過去の自分に深く感謝している。あの幻覚を見た瞬間があったからこそ、同時に苦しみや辛い思いだけでなく、幸せで楽しかった日々も思い出すことができた。
そして現在、余計な感情を抜きにして考えると、当時殺伐とした日々を送る中で、二人があの場所で過ごしていた時間を見守っていた私にとって、その瞬間は何よりも大切なものであったと胸を張って思える。そのため、思い出すことができて心から嬉しく、幸せだと感じている。
しかし、私が一人で抱いていた感情に思いを馳せている間に、リヴァイは言葉では表現できない感情を抱えており、私とエルヴィンは、彼が想像以上に苦しんでいたことを全く理解していなかった。