• テキストサイズ

空を見上げた。

第15章 13。



私は一度まぶたを閉じて、の姿を頭に思い浮かべた。そして、静かに問いかけた。

ねぇ、…君はリヴァイがどうやって死ねば納得できるの?巨人の餌食になったり、仲間を庇って死んだり、君やリヴたちを守るために死んだりすれば、納得できるの?私は、どんな結果でも、君がリヴァイを失ったときのことを考えると、この世の全てがどうでもよくなってしまうと思っているよ。

それは、リヴァイも同じ気持ちなんだ。今日、私が彼に「は生きている」と告げたとき、彼が喜んでくれると想像していたのに、まるでこの世の終わりのような表情と雰囲気を漂わせていた。

きっと、あの時のリヴァイは私の言葉に安心感を抱き、これまで心の内に隠していた感情が溢れ出してきたのだと私は実感した。

私はそんなことを頭の中でに語りかけ、思考を現実に引き戻しながらジャンの問いかけに返事をして、横になっていた体に力を入れて起き上がろうとした。

しっかり体に力が入るか不安だったが、落ち着いて横になり休んだおかげで、先ほどよりも力が戻り、ゆっくりではあるが自力で起き上がることができた。それでも、まだ体のあちこちに痛みが走り、喉に違和感と痛みを感じている。

それでも、こんな痛みは、今リヴァイが抱えているものに比べれば何でもない。私はふらふらとしながら椅子に腰かけようとしたとき、エレンがさりげなく体を再び支えてくれた。

私は未だに心配そうな表情を浮かべるエレンに「大丈夫、ありがとう」と言って笑い、彼の肩に手を置いて優しく数回叩いた。

今、エレンはリヴァイと「監視」という名目で多くの時間を共に過ごしている。そして、この場にいる104期のメンバーの中で、エレンはリヴァイの性格を最もよく知っている。

そんなエレンは、見た目に反してリヴァイが非常に思いやりがあり、愛情深い人物だと理解しているのだろう。そして、彼のような性格の持ち主であるからこそ、調査兵として仲間を失う痛みや苦しみを他の人とは異なる形で抱えている事に、少し気づいているのかもしれない。

/ 288ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp