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空を見上げた。

第15章 13。



「うん、そうだね。兵長も馬鹿じゃない。僕はいつも何か行動を起こす前に、可能ならしっかり話し合いたいと思っています。兵長たちにはその余裕がなかったのかもしれない。でも、兵長は一人で抱え込んでほしくなかったんだよ」

「ああ、それに、兵長言ってたじゃねぇか「生きてるのか死んでるのかどっちだ」って…きっと兵長の中ではどっちに転んでも受け入れたんだ。怖がる気持ちも理解できるが、怖がるくらいなら最初から愛さない方がマシだ」

ミカサの話に続いて、ジャンとアルミンが意見を交わし始めた。すると、6人はそれぞれ顔を見合わせ、頷き合い、私に向かって微笑んだ。

その6人の微笑みには、どんな思いや考えが込められているのかは分からない。それでも、きっと彼らなりにリヴァイとのことを考え、二人の間に挟まれて右往左往している私を心配してくれているのだろう。

「ハンジさん、俺たちはさんのことをよく知らないので想像でしか話ができませんが、きっと兵長のことを考えすぎて、自分で何をしたいのか考えているのか分からなくなってんじゃないっすかね?いや、もしかしたら空回りすぎて…それにすら気づいていないのかも…」

私が彼らに顔を向けると、再びジャンが口を開いて問いかけてきた。私はその問いかけに対しのことを頭に思い浮かべた。

あの子はとても素直で、その素直さと同じくらい鈍感な性格の持ち主だった。その性格を思い出したとき、ジャンの問いかけに対し明確な答えが頭に浮かび、思わず少し笑ってしまった。

「そうだね。はとても素直で優しい性格だった。でも、それと同時にとても鈍感なところもあったんだ。誰よりもリヴァイのことを考えていて、リヴァイもそうだった。二人は一心同体のようなものだった。だから、離れ離れにになることは死ぬことと同じくらい辛かったと思う。マントを処分しても、気持ちが変わらないのなら意味がないよね。まったく、素直で優しすぎる性格はたまに傷だよね。ははっははは」

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