第15章 13。
彼らは、壁内で任務に従事する駐屯兵や憲兵とは異なり、何よりも危険が伴う調査兵団を志願した。
その事実は、今、アルミンとエレンが言ったように「夢や目的」を胸に抱き、死を恐れながらも前に進もうと必死で生きていることを示している。
それは、二人だけではなく、他の4人や、これまで命を落としてきた仲間たちにも当てはまるだろう。それを考えると、の中にも、私には計り知れない考えや目的があるのかもしれない。
直接改まってリヴァイとに調査兵でいる理由を尋ねたことはないし、リヴァイの調査兵団への入団は特例だった。しかし、二人が調査兵でいる理由は分からなくても、彼らは常に死と隣り合わせの生活の中で「必ず生きて帰り、二人で過ごす」という目的を抱いて必死で生きていたことは容易に察することができた。
「大切な人や物を守りたいと思うことは、誰にでもある感情だと思います。でも、それが過度に強くなると、根本的な部分を見失ってしまう…見失った後に思い返そうとしても、難しいことが多いですよ」
アルミンは真剣な表情でそう言うと、私はその言葉を聞いての姿を思い浮かべた。
そして、「前に進みたい」と言いながら、なぜ自分がリヴたちに兵士であったことやマントを大切に保管していたこと、離れている間でもリヴァイに対して変わらぬ愛情を抱き続けていたかを改めて考え始めた。もしこの先前に進めたとしても、「隠し事」をしているという後ろめたさは拭うことができない。
本当の意味で「前に進む」というのであれば、リヴァイがそばにいなくても、すべてをリヴたちに打ち明け、受け入れてもらった上で、家族全員でさまざまな感情を家族全員で共有していく必要がある。
リヴたちはまだ幼い。それでも、幼さゆえに大人が感じているもの以上にさまざまな物事を感じ、実感しているだろう。傷つくことや傷つけることは確かに怖い。
それが、大切な人に対してならなおさらだ。しかし、そこから逃げていては、生きている中で抱え、感じるべき感情すべてから逃げていることになるのではないか、と私は思った。
「リヴァイとはずっと、ずっと空を見上げてばかりだったんだ…暇を見つけてはそればかり。壁外調査に行く前も帰ってきてからも、ただ空を見上げていた」