第15章 13。
それは、私がと再会した日に、彼女が大切にマントを保管していた事実を知り、心から切なくなり、それを現実だと実感した。
私は6人の話に耳を傾けながら、リヴァイが今何を考えているかをを想像した。しかし正直なところ、何も思いつかず、想像することもできなかった。
それでも、一つだけはっきり言えるのは、「の考えていることは理解できない」と思っているだろうということだ。
私でさえ、が姿を消すという考えやその目的が理解できなかった。彼女なりの強い意志があったことは理解できたが、その行動に意味があったのかどうかは、再会した日に彼女と交わした話や彼女が抱えている思いを聞いた時に「無意味」だと感じた。
そう考えていたとき、アルミンたちが言った「守りたかった」という言葉は、私の空虚な心の中にストンとはまり込んだ気がした。
きっと、この子たちは私たち大人が考えているよりも視野が広く、この先多くのことを経験し吸収して行く中で、さまざまな取捨選択をしていくのだろう。その過程で、自分たちができることを模索していくのだろう。
そのため、私もが「リヴァイのことを守りたい」と思っていたことは理解できる。しかし、アルミンたちが考える「守りたい」という言葉と私が考える「守りたい」という言葉には違いがあるように感じた。
「みんなはさ…凄いね…自分の意思をしっかり持っている」
私は片腕を目元に置き、静かに呟くと、アルミンが代表して「そんなことはないです」と、はっきりと返答した。その言葉を聞いて、私は目元から片腕を外し、アルミンに視線を向けると、彼は少し困った様子で私に向かって微笑んでいた。
「生きていれば、生きている人の数だけ考え方はそれぞれですし、目的もそれぞれです。僕が調査兵になったのも、自分の夢を叶えるためです。それは、ここにいる全員が同じだと思います」
「あぁ…俺は必ずこの世から巨人を駆逐する。そのために手段を選ぶつもりはないです。でも、それは俺一人の力じゃ成し遂げられないことを、この間の壁外調査で実感しました。仲間を犠牲にしてまで、自分の意志を貫くのは簡単じゃない」
アルミンとエレンは私に視線を向け、優しい声で話しかけながらも、真剣な表情を浮かべ、周囲のミカサたちに視線を向けた。