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空を見上げた。

第15章 13。



その後、エレンが言葉を続けた。二人は静かに言葉を交わし、他の4人も言葉を失って頷いていた。
やはり、最も驚くべき事実はそこにある。現在の調査兵団内でリヴァイに恋人と子供がいることを知っている人物はおらず、他の兵団内にも存在しない。

そのため、現在リヴァイに恋人と子供がいることを知っているのは、新兵の中ではエレンたちだけだ。私はエレンたちの「信じられない」という表情を見て、「そりゃそうだ」と思い、苦笑いを浮かべた。

「あのさ、俺はバカだからいまいち状況が理解できてないだけ?俺だけ?」
「そうです。コニーはバカだからです」
「あぁ…これほどまでバカだったとは…」
「そう、ただのバカだった…」
「おい!サシャ、ジャン…ミカサまで…ひでぇな!」

コニーは話の内容を理解するのに時間がかかっているようだ。サシャたちに「バカだ、バカだ」と言われて頭を抱えていた。

私はコニーの反応を見て「無理もない」と思った。私でも初めて「リヴァイに恋人と子どもがいる」ということを聞かされたら、様々な感情を抱き、簡単には「そうなんだ」と受け入れられないだろう。

いくらリヴァイが人間離れしていて「人類最強」と言われていても、彼も一人の人間だ。彼も生きているのだから、浮いた話の一つや二つくらいあってもおかしくない。私でもリヴァイと長い付き合いだと言っても彼の知らない一面はある。 今日、私たちはその一面を目の当たりにした。

私はそれぞれ異なる6人の反応を見て、思わず笑ってしまった。すると6人は笑顔を浮かべた私を見て、安心したような表情を浮かべた。

「でも、僕…さんの気持ちが分からなくもないかな…要するに、守りたかったんだよね…」

「そ、そうですよ!死んでしまったら元も子もないですし!この先、平和になった後に家族と過ごす時間もなくなってしまいますよね!さんは保身のために姿を消したわけではないんです!」
「まぁ…考え方は人それぞれだけどよ。兵士として活動し、壁の外を知っている身としては、思うところもあるよな…」

アルミンとサシャ、ジャンがそれぞれの意見を述べると、6人は顔を見合わせ、眉をひそめながら頷き合っていた。私は皆の意見に耳を傾け、口を挟まずに黙って聞いていた。

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