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空を見上げた。

第15章 13。



重たいまぶたを震わせてそっと開くと、霞んだ視界の先には薄暗い空間と木目の天井が広がっていた。私は数回瞬きを繰り返し、「ここはどこだ…」と思い、思考を働かせようとしたが、その時、ズキッと鈍い痛みが頭の中を走った。

顔をしかめながら深呼吸を繰り返し、周囲に視線を巡らせつつ全身を動かそうと試みたが、うまく力が入らず、動かせなかった。

「あ、ハンジさん。目が覚めましたか?大丈夫ですか?」
「…え…あ…エレッぐっゴホッゴホッ…」
「む、無理しないでください。水飲めますか?」

すると、その場には私一人しかいないと思っていたところ、エレンが目を覚ました私に気づき、心配そうな表情で顔を覗き込み、声をかけてきた。

私は咄嗟にエレンの名前を呼ぼうとしたが、声を出そうとすると喉に違和感と痛みを感じたため、咳き込んでしまった。そして、今更ながら、この場がリヴァイとエレンが滞在している城の食堂であり、私は食堂にある椅子を並べた上に横になっているのだと理解した。

私は声を上手く出せない代わりに、エレンに深く頷いた。すると、エレンは水の入ったコップを私に手渡してくれた。

私は水を飲むために横たわっていた上半身を起こそうとしたが、うまく起き上がれず、エレンはそんな私を見かねて、体を支えて起き上がる手助けをしてくれた。私はエレンに背中を支えられながら、そっとコップのふちに口を付けて中身をゆっくり一口ずつ飲んでいった。

しかし、水を喉に流し込むたびに違和感と痛みを感じ、咳き込んでしまい、うまく口に含んだ水を嚥下できずにこぼしてしまった。それでも、思った以上に喉が渇いていたため、ゆっくりと違和感と痛みを我慢しながら水を飲んだ。

エレンは黙ったまま私の体を支え、背中を撫でてくれた。私は背中に感じる温もりに安心感を抱きながら、ゆっくりと水を飲み干し、飲み終えたコップをエレンに手渡すと、再び力なく椅子に体を横たえた。

そして、何度か深呼吸を繰り返し、周囲に視線を巡らせた。すると、この場には私とエレンの他に、アルミン、ジャン、コニー、ミカサ、サシャがいて、目を覚ました私を心配そうな表情で見ていた。

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