第14章 12。
のことを探し続ける中で、何度も「兵士を辞めた本当の理由、姿を消した理由」を考えたが、決定的な答えも結論も出ず、俺は煮え切らない気持ちと感情を抱えながら今日まで生きてきた。
そして、これまで生きていく中での支えにしていた「どこかで必ず生きている」という期待も、ウォール・マリア、ウォール・ローゼ、トロスト区が襲撃された際に決定的に打ち砕かれた。
毎日絶望感しか抱けず、それを紛らわせるため任務に邁進し、半ば八つ当たりのように巨人を殺し続けた。それにもかかわらず、打ち砕かれたはずの現実は存在せず、長年探し求めていたものがまさか「俺の子どもを妊娠していた」とは想像もできなかった。
「そのはずなのに、なぜ…」俺の脳内にはさまざまな感情が渦を巻くように入り混じり、溢れ出てきた。そして、その耐えがたい感情や感覚を逃れるために蹲り、頭を抱え、両手で髪の毛を強く掴んだ。
「俺たちも兵士を辞めたと言っても、姿を消した理由は理解できなかった。それに、ハンジがお前に子どもの存在を伝えろと言ったそうだ。しかし、はそれを拒否した。なぜ拒否したのか、姿を消したのかそれは俺もハンジも分からない。それでも、一つだけ分かることは…は守りたかったんだ。自分の命も我が子の命も、お前や人類の命も…」
俺はエルヴィンが口から紡ぎ出す言葉を何も理解できず、いや、理解したくないと思っているのかもしれない。その証拠に「これ以上、聞きたくない」と思い、頭を抱えて左右に振った。
何が「守りたい」だ…は俺を守っているつもりでも、俺はを守れていない。実際に離れていては、本当の意味で守れるものも守れないことをなぜ理解していないのか、理解に苦しむ。
現に、ウォールマリアは襲撃され、その後、ウォール・ローゼのが暮らしているトロスト区も襲撃を受けた。「生きている」ということは、幸運にも助かったということだろう。