第14章 12。
自分自身で「情けない、今の俺の姿はとても惨めだ」と感じている。それでも、心が掻き乱され思考が鈍るほど、に対して抱く気持ちは大きく、何年もの間、何一つ変わらなかった。むしろ、月日を重ねるごとに思いは増していき、その思いの行き場をどこに向ければいいのか分からなかった。
「生きているのか死んでいるのか」それすら定かではない中で、愛し続け、探し続けた。諦めることなど到底無理で、諦めたら最後、これからどうやって生きていけばいいのか見いだせないと思うほどだった。
あの時は全てがどうでもいいと思えた。自分のことも、ハンジやエルヴィンのことも、誰のことも気にかける余裕はなく、ハンジの返答次第では、本当に生きる意味を失い、あのままハンジに向けていた銃口を自分に向けていたかもしれない。
そして、躊躇せず引き金を引いていた可能性も低くはなかっただろう。あの時、俺は初めて、抱えた思いや感情があまりにも大きく強すぎたため、何も容赦せず、躊躇いもなくなるのだと実感した。
今、が生きているという事実に直面し、心から安堵している。しかし、それと同時に、この先何をすればいいのか考えようとしても、思考は上手く働かない。
これまでずっと探し続け、夢に見て求めてきた存在が、手を伸ばせば届く距離にある。その事実を確かなものにするために、俺が行動に移すべきことは明確だ。
それでも、躊躇している自分がいる。先ほどはあんなにも容赦なく躊躇いを感じなかったのに、が今何を思い、考えているのか分からない。そのため、再会したとしても、何という言葉をかければいいのか分からない。
深く考える必要はないと理解している。ただ、抱きしめてその存在と温もりを確かめるだけでも、十分な意義がある。俺は頭を抱えていた両手を外し、見つめたとき、未だに震えが止まっていないこと、いや、むしろ震えが増し強くなっていることに「俺はこんなにも弱かったのか?情けなかったのか?」と自分自身に対して疑心暗鬼になった。
そして、そんな自分から逃げるように、再び頭を抱えた。俺はいったい何がしたいのか、何を考えているのだろうか。普段は誰に対しても、はっきりと簡潔に答えを求めるくせに、今の自分はとても優柔不断であり、その言動に呆れて何も言えなかった。