第13章 11。
何度もリヴァイに「本当のこと」を伝えようと思ったが、行動に移さなかったのは、自分自身とのことばかりを考えたからだ。
私たちはいつも三人で一緒にいた。誰一人欠けてはいけないと思っていたのに、私たちはリヴァイを仲間外れにしてしまった。私との判断と行動は、「最も大切な人」を傷つける世界を作り出してしまっただけだ。
結局、私たちはリヴァイを傷つけないために、逆に彼を傷つけてしまった。弁解の余地はなく、ただの臆病者で卑怯者だった。
「たのむ…ハンジ…答えてくれ…は今…」
私は先ほどまで激昂し叫んでいたリヴァイの様子が一変し、今にも崩れ去りそうな弱弱しい姿と懇願するような言葉を耳にした時、これまで見たことがなかった彼の姿を目の当たりにして、思わず涙がこぼれそうになった。
しかし、泣いてはいけない。私にはその資格がない。そう思いながら、今リヴァイに手を差し伸べられるのは私だけだと、酸欠で鈍った思考の中で素早く判断し、心の中で「、ごめん」と謝罪した。
そして、力が入らない手を持ち上げ、その手で口元に当てられた銃口をしっかりと握りしめた。
「生き…て…る…」
「…っ!?」
私は全身全霊で絞り出すように口から言葉を紡ぎ出した。すると、私を見下ろしていたリヴァイは大きく目を見開き、息をのんだ。
「トロス…ト区…の街はずれに…ぐっはっ…はぁはぁ…」
私はリヴァイに掠れた声でそう言った。すると、私の首から恐る恐る手が離れ、口元からも銃口が外れた。そして、リヴァイがその場から数歩後退し、彼の力なく握られた拳銃が手から滑り落ち、地面に落ちていった。
私は咳き込みながら大きく深呼吸を繰り返し、霞んだ視界の中でリヴァイの表情を見つめていた。その瞬間、私は言葉を失ってしまった。彼の姿や表情は生気を失ったかのように力なく青ざめており、その瞳には喜びや幸福感のような感情が見られなかった。
思っていた反応とは真逆だったため、まとまりがなく鈍っている思考では、彼にかける言葉が見つからなかった。
そして、リヴァイは何も言わずに目を見開いたまま私に背を向け、怪我をした脚を引きずりながら城の中へと戻っていった。