第13章 11。
何かをリヴァイに言いたい、言葉にして口に出したい。しかし、この場にふさわしい言葉が見つからず、何を言っても良い方向に進まないと思い、ただ俯くことしかできなかった。
「ぐぅっはぁっ!」
すると、リヴァイは素早く背後で腕を掴んでいた手を離し、私の首を掴んで締め上げた。私は首を締め上げられたことで首と喉に痛みを感じ、思わず声を漏らしてしまった。しかし、私が苦しんでいても、リヴァイの力が緩むことはなく、反対に彼の手の力は少しずつ着実に増して行った。
「リヴァイ!いい加減にしろ!」
「エルヴィン…お前は黙っていろ、と俺は何度も言っている!ハンジ、答えろ。お前は一昨日の夜、本当は何をして…いや…何を燃やしていた」
エルヴィンは何度もリヴァイを叱責するが、リヴァイはその叱責を一蹴し、私の首を構わず片手で締め上げ、もう一方の手で拳銃を持ち直し、無情にも私の額に銃口を押し付けた。
そして、私はリヴァイが再度私に問いかけた言葉に目を見開き、静かで殺気の籠った瞳で私を見下ろすリヴァイを見つめた。
「テメェの口が堅ぇことは良く分かった。それなら、言い方を変えてやる…は今、どこにいる…」
「っ…ゔっ…!」
リヴァイは静かな声で淡々と言い、問いかけてくる。
私はこれまで彼が核心をついてこないことに、何とか余裕を持って対応していた。しかし、その言葉には思わず反応してしまい、目を泳がせた。
全身からすべての余裕が消えていくのを感じた。リヴァイはそんな私の様子を見逃さず、小さく口角を上げて笑みを浮かべた。彼が笑うことは滅多にないため、その笑みは非常に不気味だった。
「その顔、反応…やはり知っていやがったか…答えろハンジ!は今、どこにいる!燃やしたものは何だ!に関係があるものだろう!?」
リヴァイは私の額に押し当てていた銃口を、無情にも口元に移し、激昂して叫んだ。私はリヴァイを見上げながら、一度まぶたを閉じた。私の口元に当てられた銃口が震えていた。いや、拳銃自体がカタカタと震えており、それはリヴァイも震えているということを示していた。
すると、リヴァイがの名前を口にしたとき、エルヴィンは動揺して目を見開いた。しかし、その場にいる私たち以外の全員は、誰のことを指しているのか分からず、戸惑いながら顔を見合わせていた。