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空を見上げた。

第13章 11。



土埃が舞う視界の悪い中、リヴァイは姿を現した。その動きは人間離れした速さで、怪我をしている片足を庇うことなく、瞬く間に私との間合いを詰めてきた。そして、素早く手綱を握っていた私の腕を掴み、背後にきつく捻り上げたのだ。そして、後頭部に銃口を突きつけた。

「リヴァイ!いい加減にするんだ!」
「俺がそう簡単に引き下がると思ったのか?テメェの判断力はガキ以下らしい。エルヴィン、黙れと言っている。エルヴィンお前も、他の奴らも動くな」

私は、エルヴィンがリヴァイを叱責する怒声と、リヴァイの静かで抑揚のない声を耳にしながら、全身に走る痛みと後頭部に突き付けられている銃口に恐怖を抱きつつ、背後にいるリヴァイへ視線を向けた。

今の彼には、自分が疑問に思い問いかけた言葉以外の言葉は耳に入らないだろう。その証拠に、普段ならエルヴィンの言葉を忠実に聞くリヴァイの姿は見られない。

エルヴィンを含む周囲の全員は、尋常ではないリヴァイの様子に言葉を失い、身動き一つできなくなった。今、この場にいる誰か一人でも余計な言動をしようものなら、私だけでなく他の皆もリヴァイは容赦しないだろう。

今の彼は「触れれば簡単に何もかも切り捨ててしまうだろう」と思わせる雰囲気を漂わせており、相変わらず言葉と声は淡々として抑揚はないが、その中には確かに殺気が含まれていることが感じられた。

私は全身に走る痛みを感じながら、痛みを和らげる方法も分からず、ただ耐えるしかなかった。奥歯をきつく噛み締め、唇を噛み切らんばかりに力を入れた。

そして、口の中に血の味が広がり、馬から落ちた時に口の端を少し切ったのだと理解した。口の中に滲む血の味に、眉をひそめ顔をしかめた。

リヴァイは容赦なく片手で腕を背後に捻り上げ、器用に拳銃に銃弾をこめるともう一方の手には拳銃を持ち、身動きの取れない私の後頭部に容赦なく硬く冷たい銃口を突きつけた。

そして、私の後頭部に付けつけられた銃口の無機質さをひどく大きく不気味に不気味に感じている。そんな、躊躇のないリヴァイの行動に、私の背筋に悪寒が走った。

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