第13章 11。
すると、リヴァイが姿を現し、少し離れた場所から声をかけてきた。私は再び「やっぱりね」と心の中で思いながら、ため息をついた。
「え?私?あーごめん。これからまだ予定が詰まってるんだ。また今度にしてくれる?」
しかし、私はそう言いながら、不自然に思われないよう笑顔を向けた。しかし、「不自然にならないように」と考えているのは私だけで、今のリヴァイから見れば、私のすべてが不自然に映るかもしれない。
「…そうか…なら、この場で構わない。聞きたいことがある。正直に、簡潔に答えろ」
リヴァイは私の数メートル先で無表情のまま見つめており、淡々と言葉を紡いでいる。しかし、今の私はある意味で余裕がない。そのため、私はリヴァイに、悪あがきとも取れる笑顔を向けた。
「だからさ、ごめんって。また今度にして―」
パンッ!!―
私がリヴァイにそう言い終わる前に、その瞬間、大きな銃声が響き渡り、銃弾が私の頬をかすめた。
突然の銃声に驚いた馬が嘶きながら前脚を上げた。私は片手で手綱を握りしめ、もう一方の手で騒ぐ馬を宥めるように撫でた。そして馬の体を確認し、幸いにも銃弾が当たらなかったことに、ひとまず胸を撫で下ろした。
思わず目を見開いてリヴァイに視線を向けると、彼は無表情のまま私に拳銃を構え、容赦なく発砲した。私はその事実に驚愕しながら周囲に視線を巡らせると、突然鳴り響いた銃声に、その場にいた全員が私と同じように驚き、身動きを止めて言葉を失った。
今、彼にも余裕がないことは理解できる。それでも、許されることと許されないことがある。私はそう思いながら、リヴァイを厳しく睨みつけた。
私達はお互いに少し離れた場所で向かい合い、睨み合った。しかし、私が睨みつけたリヴァイの瞳には何の感情も宿っていなかった。それにもかかわらず、彼の無表情と感情のない瞳からは、本気であるということだけは感じ取れた。
「いきなり発砲するなんて、何考えてるのさ!馬に当たったり、他の人達に当たったらどうするの!?場所を考えなよ!」
「だから、俺は面を貸せと言った。それに、そんなヘマはしねぇよ。再度聞く。お前は一昨日の夜、本当はこの場で何をしていた」
私がリヴァイに苦言を呈すると、彼は淡々とした口調で言葉を重ねて問いかけてきた。