第13章 11。
リヴァイが私に対して「何か」を抱いていることは、容易に想像できる。一昨日の私の行動が知られていないという保証はなく、知られていたとしても、それは覚悟の上だ。
あの日の私の言動を冷静に振り返ると、多くの不自然な点があったことが明らかである。私自身、「余計な言動をしてしまった」と感じているため、しばらくの間は、彼との必要以上の接触を避け、適度な距離を保つ方が良いだろう。
そう思いながら、私は視線を逸らし、話し合っているエルヴィンたちに顔を向けた。そして、視線を戻しテーブルに両腕を組むと、話に集中するため思考を切り替え、耳を傾けた。しかし、再び視線を感じ小さく息を吐き、まぶたを閉じた。
その相手がリヴァイであることは容易に察しがつき、彼が向ける視線と無言の圧力に居心地の悪さを感じていた。なかなか集中できず、エルヴィンとアルミンたちの話が頭に入ってこなかった。
私の言動は決して褒められるものではないと理解している。リヴァイが今何を考えているのかは容易に想像できるが、想像できないことの方が多い。
しかし、今はまだ何も起きていない。実際に起きてもいないことや余計なことを考えても仕方がなく、対処法を考えても何も思い浮かばない。この先何が起こるかは、その時になってみないと分からない。私は「今は考えるのをやめよう」と小さく深呼吸を繰り返した。
私が何もしなくても、その時は必ず訪れる。しかし、私が軽率に行動を起こすと、関係のない周囲の人々をも巻き込み、事態が悪化する可能性がある。周囲を巻き込むことはできるだけ避けたい。それでも不可能な場合もあるだろう。
私はその場で頭を抱えたくなった。それでも「まぁ、大丈夫だろう」と少し楽観的に考えることで、今ここにいることの居心地の悪さを乗り切ろうと思った。
しかし、少し楽観的に考えることはできても、のんびり構えてはいられない。この会議が終了したら、速やかにこの場を離れるべきだ。
私一人がリヴァイに何か言われる覚悟はできている。それは想定内であり、何も覚悟せずにいるわけではない。
しかし、すべてを覚悟の上で行動しても、心の準備が整っているわけではない。私は早くこの場を去りたいと思いつつ、今は会議に集中することを最優先にした。