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空を見上げた。

第13章 11。



現在、リヴァイとエレンが滞在している古城で、エルヴィン、リヴァイ、モブリット、そして104期のメンバー5人、合計9人で今後の任務について話し合っていた。

しかし、任務の内容がこれまでとは異なり緊迫していた。そのため、この場には妙な緊張感が漂い、全員が思うように意見を出せずにいた。このままではいつまで経っても話が進まないと判断し、私は席を立ち、会議の進行を担当することにした。

片手を腰に当て、もう一方の手で作戦内容が記された書類に目を通すと、思わずその内容に顔をしかめてしまった。

「ねぇ、エルヴィン、本当にこの作戦で行くつもり?」
「あぁ、下手に動いて警戒されるよりはいいだろう。目的確保のためには、多少の犠牲や被害は仕方がない」
「多少…って…多少の被害では済まない気がするんだけど…」

私は書類に目を通しながらエルヴィンに問いかけると、エルヴィンも書類を見ながら「他に良い案はあるのか?」と逆に代案を尋ねてきた。

私は肩をすくめながら「ないよ、そんなの」と言い、口元をひきつらせた。エルヴィンは目的を達成するためには手段を選ばないことが多い。

しかし、その行動が無駄に終わることは少ない。多くの犠牲を払ってまで有益な情報や結果を求める姿勢には賛否が分かれることが多いが、それでも作戦を実行に移した結果がどうであれ、何も行動に移さないよりは「自分たちにできる限りのことをする」という姿勢は、彼の言動を批判する人々とは異なり、調査兵団内での彼の人望の厚さと信頼度の高さに繋がっているのだろう。

私は小さく息を吐き、再び書類に目を通し、内容を確認した。先日の壁外調査では思ったような成果が得られず、民間人や他の兵団から調査兵団への風当たりが以前よりも強くなり、信用は地に落ちたと言っても過言ではない。

そして、エレンを憲兵団に引き渡す決定が下された。しかし、私たち調査兵団にとって、エレンはかけがえのない仲間だ。簡単に引き渡して「はい、終わり。あとはよろしく」と無責任に振る舞うつもりはない。

調査兵団は諦めが悪い。獲物が目の前にぶら下がっている限り、持てる全ての力を使って最後まで足掻く。「調査兵団は頭がおかしい人間の集団だ」と揶揄されることが多いが、私たちは自分たちの私欲を満たすために行動しているわけではない。

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