第12章 10。
屋外に出ると、今朝自室の窓を開けたときに感じた風よりも、はるかに強い風が吹いており、思わず顔をしかめた。
「確かに…匂うな…」
俺は小さく呟きながら足を庇い、ゆっくりと歩いていると、どこからともなくエレンが言っていた通り、焦げ臭い匂いが漂って来た。しかし、その匂いは本当に微かなものだった。
その場は風が四方八方から吹いているため、匂いの源を特定するのが難しい。しかし、その中で微かに漂う匂いに気づき、その根源を探し当てたエレンに、私は思わず感心してしまった。
俺は全身で四方八方から吹き付けてくる土埃を含んだ風を受け止めながら、城の裏手へ向かって歩いていく。まるで嵐のように風が強く、整えた髪や服装も乱された。
一度鈍色の空を見上げ、「雨が降っていないだけマシだ」と思いながら、前を見据え、片手で風よけを作り、小さく舌打ちをしつつ強風の中を歩き続けた。
一歩踏み出すたびに全身が強風に煽られ、体勢に気をつけないと片足を怪我している俺は、時折体勢を崩してしまう。
体勢に気を配り、足元に注意を払いながら歩き、周囲に視線を巡らせると、草木が激しく揺れていることに気付いた。この城跡に滞在してからそれなりに日数が経過したが、このような日は初めてだと感じた。
俺は体勢と足元に注意を払いながら歩き、「城の裏手にある茂みの中」というヒントしかないため、むやみに探すことは得策ではないと判断した。そこで、調査のために裏手に差し掛かった場所から茂みに入り、注意深く周囲を見渡した。
しかし、強風の影響で周囲には木から落ちた枝や葉が多く、エレンが言っていたとおり、目ぼしいものは何も見つけられなかった。それでも、しっかりと調査を行うために、裏手に差し掛かった場所から茂みの中に入り、注意深く周囲を見渡した。
しかし、強風の影響で、周囲には木から落ちた枝や葉が多く、エレンが言っていた通り、目ぼしいものは何も見つけられなかった。
城の裏手と言っても、周囲の土地は果てしなく広がっており、注意深く探し続けても「何かを燃やした痕跡」すら簡単には見つからなかった。
一度歩みを止め、大きなため息をついて額に手を当てた。そして、「こんなことになるのなら、エレンに案内を頼めばよかった」と思い、自分の思考がいかに鈍っているかを痛感し、呆れて何も言えなくなってしまった。
