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空を見上げた。

第12章 10。



現在、片足を怪我しているため、思うように身動きが取れず不自由さを感じている。そのため、日課の掃除も思うようにできず、苛立ちを表面に出さないように紛らわせることに必死になっている。できれば余計な苛立ちは抱えたくない。

そう思いながら窓を閉め、再びベッドに戻って力なく腰を下ろした。まだ朝早く天気が悪いため、太陽が昇っているか判断できない。それでも毎朝、起きる時間は決まっている。毎日の夢を見て飛び起き落胆している。

そんな日々を何年も続けていたせいか、いつの間にか体内時計が整い、意識しなくても朝が来ると自然に目が覚めるようになった。

何年も同じような、気分が良いとは言えない朝を繰り返しているが、睡眠不足は感じていない。の夢を見て空虚な気持ちを抱く一方で、就寝前にはの存在を少しでも感じたくて夢を見たいと思っているので、自分の考えと気持ちに少し矛盾を感じて情けなくなる。

「…ふさけんな…」

俺は再び悪態をつき、吐き捨てるように呟いた。その悪態は誰に、何に向かって呟いたのか、自分自身に対してなのか、そう思いながら心の中で「分からない」と自問自答を繰り返す。そして、そんな無意味なことをやめるために、ため息をつき、着替えようと立ち上がった。

怪我をしているため、訓練や任務に参加できない。そのため、制服に着替える必要はない。制服に着替えることで、多少はのことを考えるのをやめ、気分を切り替えることができる。

しかし、最近は普段着でいることが多く、完全に気を抜いているわけではないが、普段より少し肩の力を抜いている自分がいることは明らかだ。

そんなことを考えながらベッドメイキングをし、脱いだシャツとズボンを椅子の背もたれにかけると、衣類が入っている棚から新しいものを取り出して素早く着替えた。

そして、椅子の背もたれに掛けてある脱いだ服を軽く畳んで机の上に置き、シャツのボタンを留めながら今日の予定を思い出した。急ぎの予定はなく、優先的に処理しなければならない報告書もない。

予定がないということは、考え事をする時間が増えるということであり、今後の自分の思考を先読みしながら、「どうせ同じことの繰り返しだ」と考え、何度目かの大きなため息をついた。

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