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空を見上げた。

第12章 10。



俺はそんな自分に呆れながら大きなため息をつき、片足をかばいながら、ベッドからゆっくりと腰を上げて立ち上がった。そして、陰湿な空気を入れ替えるため、部屋の窓に近づき、少し乱暴に窓を開けた。

そして、窓の外を見て再び顔をしかめた。窓の外は、昨日の晴天で風もなく穏やかな天気とは一変して、今日は厚い鈍色の雲に覆われ、天候が悪化し、湿気が増して強い風が吹いていた。

そのため、新鮮な空気を取り入れるために窓を開けたにもかかわらず、湿気と埃が混ざり合い、空気が室内に入る際に窓枠が激しくきしんだ。

そして、すでに苛立っていた気持ちが、さらに増幅した。俺は小さく舌打ちをして、窓から離れてベッドに腰を下ろした。両膝に両肘を置き、頭を抱え、両手で顔を覆った。

「今…どこにいる…」

そうして、情けなく小さな声で呟くと、その呟きは顔を覆っている両手によって自分に返ってくる。こうして毎日頭を抱え、人知れず問いかけるも、返答のない現実に落胆する。

それでも、この言葉を考えつぶやくのをやめられない。いつかこの問いかけに対する答えが返ってくる日が訪れると、淡い期待を抱いている。

今の俺を他の兵士たちが見たら、別人と疑うだろう。それほど一人でいる時の俺は情けなく、「リヴァイ兵士長」として慕われる存在でもなく、「人類最強」と称賛されるような立派な男でもない。ただの情けない男に過ぎない。

どんなに疲れて眠りについても、の夢を見ない日はない。そして何年も、このような惨めな感情を抱えて朝を迎えている。俺は頭を抱えながら、微かに震えている両手を見つめた。

そして、開け放たれた窓に視線を向けると、強風にあおられた窓が、カタンカタンと音を立てて窓枠に強く当たっていた。その様子を見ていると、まるで自分の心を表現しているかのように感じられ、今日は普段より一層心が荒んでいることを実感した。

窓に視線を向けながら、これ以上窓を開けていると、荒んだ心をさらけ出しているような気がした。そして、室内の陰湿な空気を入れ替え、新鮮な空気を取り入れるはずが、逆に室内が陰湿になり、埃っぽくなるだけだと感じたため、ため息をついて窓を閉めるために立ち上がった。

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