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空を見上げた。

第11章 9。



きっとこの先も、私たちは変わっていく。しかし、リヴァイとはお互いに向ける「愛情」の時間だけを止めて生きていくのだ。に頼まれて今回の行動を起こしたとはいえ、私にはその現実はとても苦しいと感じられた。

私は深呼吸を繰り返しながら、「二人の始まりの場所」に視線を向けて見つめ続けた。今、あの場に二人の姿はないはずなのに、自然と目に浮かんでくる。それは、私の記憶の中で何よりも印象深い思い出であることの証拠なのだろう。

「俺は部屋に戻る。お前もさっさと帰ってクソして寝ろ」

すると、黙り込んでいたリヴァイは小さくため息をつき、そう言うと、怪我をした片足を庇いながら、その場から歩き出した。

「え、あ…って…大丈夫かなぁ…」
「うるせぇな…なんなんだ…」
「い、いや…なんでもない!おやすみ!」

私は彼の言葉を聞いて、ほんの些細な言葉や時間が未来を大きく変えるのは、今に始まったことではないと感じた。そして、自分がこれまで発してきた言葉が、この時間がこの先どんな未来へと向かうのかを考えずにはいられなかった。

しかし、人生何が起こるかは誰にも分からない。私がいくら隠そうとも、の存在や隠していたことに気づかれる時は来る可能性が高い。

そう考えたとき、一人に背負わせないと思っていても、その時に直面した私はどんな言動をするのか、自分でも分からなかった。

もし、未来が大きく変わるのなら、私のことはどうでもいい。リヴァイとの未来が少しでも明るい未来でであるようにと願っている。
私はそう考えながら、私から離れていく後ろ姿を見つめ、眉を寄せて顔をしかめた。

「なんて小さい背中だろう…」

そして、その背中に向かって小さく呟いた。私の目には、の話をしたせいで、リヴァイの背中が小さく見えてしまった。

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