第11章 9。
一見すると不機嫌だと見える彼の態度も、私が知るリヴァイはのことを考えているときや、の話をするときには、非常に穏やかで優しい雰囲気を漂わせることを、私は誰よりも知っていた。
きっと、リヴァイは私だからこそ、問いかけた答えを教えてくれたのだと理解できた。彼は、私とが誰よりも親しい関係だったことを知っている。私自身もリヴァイとのことは誰よりも理解し、応援していた。
私はそう思いながら微笑みを浮かべた。私にとって、三人で過ごした時間はかけがえのない時間はかけがえのないものであり、非常に代え難いものだった。リヴァイとと過ごした時間は決して長くはなかったが、その中でたくさんの思い出を作った。幸せな思い出ばかりではなく、辛い思いもたくさん共有してきた。
その中でリヴァイが発した「後悔」という言葉にどのような意味が含まれているのかは分からない。彼の能力を考慮すると、彼が死ぬ確率は高くないと思う。
しかし、彼には彼なりの考えや思いがあり、その考えと思いから、私たち以上のものを抱いていることは確かだ。そう思うと、常に「死」という現実と隣り合わせの日常を送る私たちは、それぞれ異なる感情を抱いているのだと感じた。
そして、この先も誰かが欠けてしまう日が来るまで、たくさんの思い出を作り、共に年を取っていけると信じていた。しかし、現実にはリヴァイの隣にリンはおらず、私の隣にもリンはいない。
三人で過ごせないと感じた時、突然喪失感に襲われた。その喪失感に耐えるために、私は自分を抱きしめるように両腕を体に巻き付けた。
「…今…どこにいるんだろうね…」
「知らねぇよ。それは俺のセリフだ。あのバカ…」
私の口は無意識に開き、リヴァイに視線を向けることなく、前を見据えたまま「二人の始まりの場所」を見て呟いていた。そして、咄嗟に口が滑ったことに気づき、思わず手で口元を抑えた。しかし、口にしてしまった言葉はもう取り消せない。
今の私は、本当に何を口にするか分からない。そう理解しているのに、この場を去りたくても、相変わらず足は地面に縫い付けられたように動かない。私はこの場をどう乗り切ればいいのか分からず、大きく息を吸い込み、吐き出し、「しっかりしろ」と心の中で自分に言い聞かせることしかできない。
「…会いたい?」