第11章 9。
これ以上余計なことを話してはいけないし、聞いてはいけないと理解している。それでも、一度でいいから、リヴァイの本当の気持ちを聞いておきたいと思った。
彼の話を聞けば、自分が起こした行動の愚かさをより一層実感するだけなのに、今の私の空虚な心を少しでも満たしたいと思ってしまう。
しかし、どれだけリヴァイの答えを待ち続けても、彼は一言も発しなかった。私はその頑な態度から「教える気はない」とはっきり言われているように感じ、「そりゃそうか」と一人で納得した。
そして、できることなら早々にこの場を離れたいと願った。今、私の足は地面に縫い付けられたように動けない。リヴァイもの話を聞くことに良い感情を抱かないだろう。
そのため、私は自分から話を振っておいて、身勝手な話だが、これ以上彼に余計なことを抱かせないためにも、その場から離れてほしいと願った。
「…まぁ、後悔…したくなかったんだよ…」
「…え…?」
「なんだその顔は…てめぇが聞いて来たんだろうが…」
「あはは、そうだね。そうだった…」
「…クソが…本当に気持ち悪りぃな…」
しかし、リヴァイは私に顔を向け、表情を見るや否や一層顔をしかめた。私はその表情を見て乾いた笑みをこぼし、指先でこめかみをかいた。
すると、先に沈黙を破ったのはリヴァイだった。私は彼が答えてくれるとは微塵も思っておらず、目を見開いて驚き、リヴァイに顔を向け、見つめた。すると、彼は腕を組み、不服そうに私を見ずに顔をしかめた。
そして、リヴァイは悪態をつくと腕を組んで黙り込んでしまったが、その時、私はリヴァイから殺伐とした雰囲気は一切感じず、むしろ真逆の、とても穏やかな雰囲気を感じた。私はそんな彼を見て胸を撫で下ろした。