第11章 9。
自ら判断を下し、行動に移した。しかし、そう理解していても、心苦しいことに変わりはない。時折、小さく火が爆ぜた音と焦げ臭い匂いが私の胸を締め付けた。
生きていくということは非常に残酷だ。何かを得るためには、何かを捨てたり失ったりする必要がある。受け入れがたく悔しいが、仕方ない。
私はこの先、に一人で抱え込ませないために、この決断を選んだ。誰も幸せになどなれるはずはない。しかし、もし誰か一人が幸せになり、その代償として他の誰かが苦しむのなら、誰も幸せにならない方がいいのではないか…そう思うのは私のエゴなのだろうか。
私はそう思い眉をひそめ、空を見上げ続けた。そして、変わらず美しい夜空の下で、リヴァイとの姿が美しい夜空に映し出された。私はその姿に手を伸ばすが、掴めるはずもなかった。しかし、無様にも大好きな二人の姿に縋り付いてしまう。
「…また、三人で笑いたい…」
呟いた言葉はとても小さく、虚しい。それでも、に再会した日から、何度も思いを馳せてきた。リヴァイとが二人で過ごしている姿や、二人のことをからかって楽しんでいる私の姿を思い浮かべると、恋しさと苦しさが募った。
そして、私は思い知った。形や大きさは異なるが、「愛情」は一人で抱え込むにはあまりにも苦しいものだと、私は思い知った。月日が経つにつれて、それはますます厄介になる。手放したくても手放せない。かけがえのないものだと気づいたときには、もう後戻りできないのだ。
「…悔しっい…なぁ…」
呟いた私の言葉は誰にも届かない。届けようとも思っていない。それでも、口に出さずにはいられない。リヴァイたちは、こんなに厄介な感情を何年も胸に抱き続け、それでも手放さないのだ。
強さや逞しさを超え、お互いに向ける感情は果てしないものであると感じた。私は今回の件を通じて「愛情は判断を狂わせる」ということを実感した。