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空を見上げた。

第11章 9。


第57壁外調査は失敗に終わった。巨人の正体やより多くの情報を得るために、大規模な作戦を立てて挑んだが、あと一歩のところで失敗に終わった。その結果、多くの死傷者が出た。

壁外調査で多くの死傷者が出ることは珍しいことではない。しかし、今回の壁外調査はこれまでとは異なり多くの期待が寄せられていた。しかし、作戦は失敗に終わったものの、何一つ収穫がなかったわけではない。新兵のアルミン・アルレルトが唯一、「手がかり」を手に入れ、私たちは帰還を余儀なくされた。

そして、敵に狙われたエレンを守るため、リヴァイ班はその中で全滅し、リヴァイも戦闘中に片足を負傷した。幸い、リヴァイの怪我は大したことはなかったが、それはこれからの任務において痛手であることに変わりない。

そして今日、新月の夜、風一つない日に、私はリヴァイ班が過ごしていた旧調査兵団本部の古跡を訪れていた。古跡から離れた場所に馬を隠すように繋ぎ、リヴァイの部屋の明かりが消えているのを確認した上で、闇夜に不気味に浮かび上がる城跡を見上げていた。

現在、リヴァイ班にはリヴァイとエレンの2人だけが残っている。他の班員は全滅してしまったが、エレンを監視し隔離するため、2人はこの場に留まっている。私は城跡を見つめながら、エレンのことを考えた。

エレンは初めての壁外調査で、同じ班の仲間を始めて失った。彼らは自分を守るために編成され、自分を守るために命を落とした。たとえ短い期間であっても、寝食を共にした班の仲間が死ぬことは耐え難いことだ。しばらくの間、彼は自分を責め続けるだろう。

しかし、調査兵団の兵士を選び、この先も続けていくのなら、嫌でもすべてを受け入れなければならない。私たち調査兵は立ち止まることができない。少しでも立ち止まる時間があるのなら、人類のために命を賭けて前に進み続ける。

そのために、マントには自由の象徴である「自由の翼」の刺繍が施されているのだろう。長い間調査兵を続けていると、感覚が麻痺してくる部分もあるが、失う痛みにまで慣れるほど心を失ったわけではない。それは、一見冷静に見えるリヴァイも同様だ。彼は彼なりに仲間を思いやる気持ちを痛いほど抱えている。

「それにしても、どうしてこの場所しか思い浮かばなかったんだろう」

私は古跡を見つめながら、自分に呆れ、大きなため息をこぼす。

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