第5章 囚われの少女
周りの騒がしさに千代は目が覚めた。
ボケーっとしながらリビングに行くと、ルパンたち三人とキャットスーツを着た見知らぬ女性が一人がソファーに足を組んで座っている。
「あなたね、ペンダントを持っている山田野博士の娘は」
その美しい女性は、射抜くような瞳を千代に向けた。
なぜか自分のことを知っている目の前の女性に千代は頭を傾げる。
「…ルパンさんの女?」
千代の言葉にルパンは一人で大笑いをし、不二子は呆れ気味にルパンを細目で見つめる。
「あーら、千代ちゃんよくわかったこと」
「はあ…どうだか」
「ルパン!俺はな信じねー方がいいと思うぞ、この女何回俺たちのこと裏切ったんだと思ってるんだ」
「拙者も同感でござる」
「石川さん、あの女の人は誰?」
背伸びをし、五ェ門の耳元に唇を近づけて話す千代。
「…峰不二子、女盗賊だ」
見た瞬間、千代には彼女がルパンの特別ななにかがと雰囲気から感じた。
千代はじっと不二子を見つめる。
そんな彼女に不二子はウィンクをし、立ち上がる。
「不二子殿、どこに行くのだ」
五ェ門が素早く低い声で不二子に聞いた。
「え、行くんじゃなかったの?スカイツリーの地下にお宝、眠っているんでしょう?」
「……なんでてめえがついてくるんだ」
「あら、だめなのかしら。ねえ、お嬢さん?」
「い、いや私はなんでも…」
不二子の微笑みに千代はなにも言えなくなる。
そんな千代を見て次元は、自分の後ろに彼女を隠す。
なるほどね、と次元に照れている千代を見た不二子はなっとくした。
「いいじゃねえか、次元。お宝は必ず俺様が盗み出すだけよ」
ルパンはソファーの上にかけていたジャケットを羽織ると、不二子の肩を抱き部屋を出た。
そのあとを三人が続いて歩く。