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【ルパン三世】初恋は煙草のかほり

第4章 表と裏


「……まだ起きていたのか」


千代が窓側に腰掛け外を眺めていると、彼女に話しかけてきたのは次元だった。


「次元さん…」

「こんな時間まで起きていると昼間に響くぞ…まあ、俺も言えないが」

「眠れなくて……すみません」

「俺もだ、眠れないし寒くてな。なにか飲むか?」

「はい…お願いします」


暗い夜空に星が多く光って見えた。

しばらくぼーっと外を眺めていると肩を叩かれ
、次元からホットミルクが入っているマグカップを渡された。


「……ありがとうございます」


「いや…」


次元はホットミルクを一口飲む。


パジャマ姿の次元をチラチラ見る千代。


その場にしゃがみ、次元の右足首を触った。



「……足、本当にすみません」


「まだ気にしてたのか、しつこいぞ。俺はこういうことに慣れているから大丈夫だ」


はい、と千代は立ち上がりまた次元を見つめる。

恥ずかしくなり、彼から目線を逸らした。

そして、それを誤魔化すように次元に問う。

「じ、次元さんってあの二人とはいつからの付き合いなんですか?」


「数えたことがないな……わからん、長い付き合いだが」


「いいな、信頼し合っているってわかったもんなさっきの……羨ましい」


千代はいつもと違って声のトーンが低かった。


明るい表情がなく、とにかく沈んでいる。


…次元は気づいたのだ、千代のあの明るさは本来のものではないのかもしれないと。


「……千代はたまに暗い顔をするよな」


「え」


思わず次元を見てしまう千代。


誰にも言われたことがなかったことを次元は気づいてくれたのだ。



「羨ましいなんてもんじゃないさ、二人は仕事仲間だ」


「…次元さんがあの二人を信頼してるみたいな、私にはそんな人を作れない」


すると、次元は窓側に腰掛け千代に笑顔を向けて言う。

その隣に千代も座った。
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