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【BASARA】幸村落ち。元遊女ヒロイン【内容激しめR18】

第6章 忍笑い


暖かい…。
と牡丹は思った。
この人の体温もそうだが心根もそうだ。
牡丹はそれが好きでたまらない。
どうしようもなく好きて仕方ないのだ。
出逢わなければ分からなかった。
この人にだけ熱くなること。
張り裂けんばかりに鼓動が跳ねてしまうこと。
幸村様の焔は、媚薬よりも甘美だからいけない。

「幸村様…」

「ど、どうした?つ、強くし過ぎておるか?い、未だ加減が解らぬのだ」

「いいえ、そうではなくて…。今宵は抱き締めるばかりなのですね…と」

「そ、それでは何かまずいことでもあ、あるのでござろうか?」

顔が赤いこの人は、いつまで経ってもおなごが苦手なのだろう。
それは裏を返せば意識しているからだ。
女として私を見て漢としてその気になることを自覚している証拠だ。
今までは気が付くと逃げ出していたようだけれど。
無我夢中になるとそれだけしか考えられなくなるのは…。

「そういえば俺はかすり傷程度であれば舐めて治すのだが、牡丹の傷口もそれでさっぱり元に戻るであろうか?」

こうやって何も分からずに仕掛てくるのは、心臓に悪いとしか言いようがない。

「幸村様…待っ…」

牡丹の制止より先に幸村様の舌が牡丹の乳房の間から裂かれた傷に沿って這った。
ピリッと痛みが走り、それが快感であることも知っている牡丹の身体はすぐ、羞恥と嗜虐に反応する。
それをまだ理解しきれないこの人の純真さは牡丹の華の何よりの養分だ。

「某、実を言うと血の味は嫌いではないのだ。変か?」

舌を出したままこちらの様子を伺った幸村様に牡丹は抵抗せず身悶えた。
すると彼は眼差しの光具合を変え、もっとそれを欲しいと言わんばかりに牡丹の傷口を優しく吸っては舐め続けた。

「はっ…ぁぁ…んっ!」

牡丹の口から遊女のいやらしい声が漏れた時、幸村様はとうとうこの行為が破廉恥であることを見知り得たらしい。
以前の彼なら恐らくここで跳ね退いただろう。
しかし彼は牡丹が音を上げるまでそれをずっと続けた。
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