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【BASARA】幸村落ち。元遊女ヒロイン【内容激しめR18】

第6章 忍笑い


「真田幸村…ここはひとまず俺に預けてさっさと牡丹を連れて引き上げろ…!こいつには、さっき俺を散々足蹴にしてくれた借りをキッチリ返さなきゃ俺の気が収まらねぇっ!」

「政宗殿…!!!巻き込んでしまい申し訳ござらん!!!」

「俺が好きで片脚突っ込んだんだ。…いちいち気にすんじゃねぇ!」

政宗様はそう言って後藤又兵衛の前に腕を組み立ち塞がった。
猛火と共に身体に巻き付いていた縄を切られていた牡丹は、幸村様に姫抱きにされ地下牢から救出されたのだった…。




ドキドキと心臓が跳ね上がる。
牡丹は幸村様の腕の中でずっと少女のようなときめきを覚えていたからだ。
この人に救い出されたのは二度目。
そして初めて出逢った時も、このなんとも情欲をそそる甘い香りにクラついたのだっけ…。
道すがら追ってが来ないと分かると、幸村様は私の身を案じてくれた。

「牡丹!大事ないか!?傷は浅いようだが、もうずっと血が止まっておらぬ…」

そう言って着用していた紅い革ジャケットを脱ぎ草むらの上に敷いた。
この人にそういう類いの悪意がある訳でないのは牡丹も充分理解している。
しかし、こんな想いにさせられたら、逆に堪え切れなくなるのは私の方だと、牡丹は僅かに苦悩するのだ。
あなたの望むような淑やかなおなごになりたいのに…この逞しい身体に触れたくなる心情と出生をそろそろ察して欲しいと思う。

「ここに居て下され。某は薬草を探してきまする。気休め程度かもしれぬが…」

「ま、待って下さい…一人にしないで…」

咄嗟に幸村様の手を掴んだ牡丹。
彼は驚いて振り返ったが、小さく丸まって震える彼女を前に要らぬ劣情が募ったのは確かだ。

「…そ、そうか。なれば側に居る故…安心なされよ」

「…はい。滲みるだけの薬草なんかより幸村様に触れらることの方が、私にとっては何よりの消毒です。だから…」

「…なっ…そ、それは、さ、誘っている…のか?」

「さぁ、それはどうでしょうね?」

「ぐぬっ…やはり暫く逢わずとも、そなたは中々に意地悪でござるな…」

幸村様はそうして眉根を寄せて困惑した表情を作ったが、すぐに牡丹を腕の中に閉じ込めたのだった。
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