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【BASARA】幸村落ち。元遊女ヒロイン【内容激しめR18】

第6章 忍笑い



「おいぃ…又兵衛様を足蹴にしたあげく、無視して会話しないで下さいよぉ…!」

「Shit!邪魔すんじゃねぇ!お前みたいな雑魚はお呼びじゃねぇんだよ!」

「えー?なんですかぁ?その言い草ぁ。独眼竜さぁん…お前さぁ、今の立場分かって言ってますぅ?」

又兵衛は愛用の執行刃を握り直し、

「あ、そうだぁ!」

愉快気な顔で何かを思い付いたように瞳孔を拡げた。

「これ、この女!お前の大事な宝物なんだろぅ?俺様知ってんだよぉ!この女を甲斐の若虎と取り合いしたって話ぃ…。それをさぁ、ぐちゃぐちゃに切り刻んで血みどろの刑にしたら、お前どんな顔してくれんの?」

又兵衛は刃先を私の躰に向け、縦に亀裂を入れた。
胸元から腹にかけ、ツゥと血が漏れ出る。

「くっ…てめぇ…!俺の前で女を傷付けるたぁ良い根性だな…」

「キキキッ…生憎、又兵衛様は女子供にも容赦ないんでぇ…。むしろそれが趣味なんでぇ…」

「最高に笑えねぇ冗談だな…そうだろ?真田幸村…」

政宗様がそう問い掛けたときだった。

――天・覇・絶・槍!!ここに在りぃぃぃ!!!!

…あの人が居た。
彼は私から流れる血液を見て、烈火の如く憤怒した。
巨大な炎の塊が渦を成して燃え盛り、後藤又兵衛を薙ぎ払ったのだ。
その焔の中心には。

「ゆ…幸村様…」

「そこの御仁…。当然まだ息が残っているのでござろう?この一撃でくたばる等、笑わせるなよ」

「ひ、ひぎぃ!!!」

「某を本気で怒らせたこと、後悔するが良い…!」

全身から殺気を放ち二槍を構えた幸村様を見て、私はなんて愚かな真似をしたのだろうと思った。

「牡丹を傷付ける者は、何人たりとも赦しはせぬぅぅぅぅぅ!!!!」

自分が存在することで、幸村様に不都合を与えるなんて、この人は微塵にも思わないということ…。
そして…。

この人の本質は、主である天海様のそれよりも、遥かに凌ぐ灼熱の性愛であるということ…。
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