【BASARA】幸村落ち。元遊女ヒロイン【内容激しめR18】
第6章 忍笑い
牡丹はここへ来てから幾ばく経過したかを、数えることなどしてはいなかった。
朝から晩まで挿し貫かれていたのは、幸村様のお隣にいた時から変わらぬが、現状は事態そのものが丸切り違う。
いや、全てが元通りに戻った、それだけなのだ。
幸村様にはこのように羞恥を仰ぐよう吊るしあげることはされなかったし、代わる代わる色んな男に陵辱されることもなかった。
「はっぁ…あぁ、い、いやぁ…」
しかしご主人様には抗えない。
それは一種の糧のような…はたまた人生の根幹そのものでもあり…。
植え付けられた華の種はその土と水で生きてきたから今更失うことすら出来ないのだ。
そのおぞましいほど醜く咲く大輪が、誰か他の主様に愛されようと考えたことすらが、おこがましい話だった。
それだけのことだ…。
「…お、お市様…」
そして今、目の前にいる男は玉虫色の甲冑を脱ぎ捨て、ずっと誰か知らぬ女の名を呼びながら虚ろに私を抱いている。
抱いているというよりむしろ何か怪に取り憑かれたように無心に腰を振るってくるのだ。
先程まで相手をしていた、三成という男と左近という男とは、また別の類の者だ。
「…ふっあっ…あぁ…」
暗い双眸は何処か哀しさも秘めている。
快楽と恐怖にぶるりと震えた牡丹を見て、この男はニィと笑い、そして…。
「お市様…あぁ、ぁぁ…」
びゅ…びゅるっ!
心ここにあらずのまま精を吐き出した。
「…あと、何度愛すれば貴方は黄泉帰るのですか…お市様…」
出された後に何度も口付けをせがまれ、舌を吸われた。
唾液が互いの咥内を行き交う最中も、彼はずっと彼女の名前をぶつぶつ呟いており、
「もう止めて下さい…舌が痺れて…もう…」
と牡丹が涙ぐんでようやく彼はこの場を後にした。
…今日も3人目が終わった。
牡丹は解けぬ縄が肉体に食い込む痛みと、血流が滞り痺れを通り越して無感覚になっていく四肢の不安とに、気色の悪さを感じていた。
それから、ぼたぼたと垂れる誰かも解らぬ交じった精液にも。
――幸村様には、この何倍もの精を吐き出されたって、嫌とは感じ無かったのに。