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【BASARA】幸村落ち。元遊女ヒロイン【内容激しめR18】

第4章 跡追い


今は、朝だろうか、夜だろうか。
目が覚めると、空模様はだいたい朝焼けのそれか夕暮れのそれかであるから、なかなか見分けが付かないのだ。

寝惚け眼を擦り、牡丹は濡れた寝具の居心地の悪さに、一度布団から抜け出ようと状態を起こした。

すると、ガシッと手首を射止められる。

「何処へ行く?」

先程まで眠っていたはずの彼は、私が側から離れようとすると必ず目を覚まし、そう言う。

「少し、散歩を…」

と誤魔化そうとすれば、共寝をしている若虎はそれを許さない。

「ならば俺も行く」

それだと、気分転換にはならないんです…とは好いた男には言えない。
むしろ…。

「だがその前に、もう一度だ…」

そうやって絶対に布団の中に引き戻されてしまうから、牡丹の散歩はいつも結局ままならない。

「幸村様…今日の鍛錬はもうよろしいのですか?」

はぐらかそうとしても、無駄なことももう分かっている。

「そなたが眠っている合間に終わらせてきた」

「でも、普段ならこの時間も…んっ」

あの破廉恥とさけんでいた無垢な男の子は何処へ行ってしまったのだろう。
幸村様はなかなか、はいと答えない牡丹を組敷いて、口付けた。
それも、かなり濃厚なやつをだ。

ぴちゃ…れる…ちゅぱ…。

唇を甘噛みされ舌を吸われ、歯列をなぞられる。
上顎まで擽られたらもう限界だ。

「んっはっ、ぁ…ゆきむらさまぁ…」

この巧妙を、最初にやってみせたのは私だ。
幸村様はあの日、漢道場でとろとろに蕩けてしまった。
まるで仕込まれたての遊女のように性に狂い、欲しがり、絶頂の虜になった。
完堕ちと巷では言うらしいが、幸村様の場合、逆に私を堕とすことにも目覚めてしまったようだから困った。
いや、正直嬉しくはあるのだが…。
複雑でもある。

あの日以来、幸村様は紅虎ではなく性獣に成り合ってしまった。

「今日は如何としようか…」

などと、果てるまでを考え、にっこり笑って見せる。
ここまではいい。
可愛いから…。

しかし問題はこのあとだ。
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